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あらゆる出会いがチャンスになる――第一印象を良くするための4つの秘訣

2023年6月23日

「第一印象」の魔法――あらゆる出会いがチャンスに変わる』を読みました。こちらの本の著者アン・デマレイス氏、バレリー・ホワイト氏は心理学博士でありながら、経営者などに「第一印象」を良くする方法をコンサルティングしているファーストインプレッション社の創業者です。かなりユニークな事業をしていますよね。

この本を読んでいて、第一印象がいかに大事なのか、初対面で好印象を与える方法がとても参考になったので紹介します。第一印象に特化した本ですが、結局のところ、相手から好印象をもらうためのスキルなので人間関係を改善したい方にもおすすめです。著者の方が第一印象特化のビジネスをしているだけあって、とても実践的なアドバイスが多いのですぐに役立てられますよ。

第一印象は「1%」の情報が 「100%」の評価につながる

他人と少し雑談しただけで、相手の人柄が分かったように感じ、一緒に過ごしたら楽しそうだと思ったことはありませんか?
第一印象の心理学によると、初対面の相手はほんの1%の最初のやりとりだけで相手の100%を推測しています。相手が危害を及ぼすような人物か、いざというときに頼れる人なのかなどを短時間で判断する必要があるんですね。

つまり、第一印象だけであなた全ての印象が決まってしまいます。最初が良い印象であれば、あなたは常に優しい、ユーモアがある、明るい、活発だといった他の魅力的な特性を兼ね備えたポジティブな人だと思われます。また、心理学の研究から、人は他人を評価するとき、「最初の情報」が「後の情報」よりも大きく重視されることが分かっています。これは「初頭効果」ともいい、最初のマイナスイメージは後から覆すのが難しいと言われる所以です。

相手からの第一印象を良くする術を身に付ければ、次のデートや遊びにつながりやすくなりますし、後で失敗しても大目に見てもらえます。あなたが初対面の人に温かい関心を示せば、相手は「愛想が良くて、フレンドリーな人」だと思い込み、のちに注意散漫や自己中心的な態度を取ったとしても、気にしないことが多くなります。日常的に会わない人であれば、最初の印象だけで人間関係が終わることもありますから、スタートダッシュが肝心ということです。

ここまでの第一印象の効果をまとめると以下の流れになります。

  1. 初対面で相手の ボディランゲージ、発言、反応に注目し、最初の情報を取り込む
  2. その情報に基づいて、相手の人物像をつくり上げ、将来どのような行動を取るのかを予測する
  3. 第一印象という「フィルター」を通して相手を見るようになる。

最初に観察したわずか数パーセントの手がかりによって、100パーセントの人格を推定されるなら、相手に与える情報を慎重に選びましょう。相手に見せる情報の順番が大切だと気づけば、魅力的な特性を先に見せ、魅力的でない特性は後回しにすればいいということが分かります。 たった1つの行動に基づいてその他の多くの特性が推測されるのであれば、 〝本当のあなた〟が伝わるように、与える第一印象をあなたが望むものにすればいいのです。

初対面で好感度が上がる 「4つのギフト」

多くの人は自分が楽しんでいれば相手も楽しいと勘違いしてしまいます。初対面の場合は、自分の気持ちよりも「相手を良い気分にさせる」ことのほうが重要です。

相手は、あなたの最初の言動から無意識のうちに第一印象を素早く形成し、それらがあなたのすべてを表すと思い込んでいます。 初対面で「自分」ではなく「相手」を意識できれば、相手のニーズは満たしやすくなります。人間関係で大切なのは「互いの」ニーズを満たすことですが、第一印象で大切なのは先に「相手の」ニーズを満たすことです。

相手のニーズを満たすには、「4つのギフト」を意識しましょう。①相手の良いところを評価し、②つながりを感じさせて、③ポジティブな空気を作り、④情報やアイデアで好奇心を満たすことができれば、相手があなたのニーズに応えてくれる可能性は高くなります。

  1. 相手を評価する
  2. つながりを示す
  3. ポジティブな空気をつくる
  4. 好奇心を満たす

自分は何のギフトを与えていて、何のギフトを与えていないかが分かれば、自分が与える印象を把握しやすくなります。相手の好奇心を満たすことができない人は知性を身に付ければいいと分かるんですね。

それでは、各ギフトについて見ていきましょう。

ギフト1 「相手を評価する」

人に評価されるのが嫌いな人はいません。人からほめられると、自分の素質を認められたと感じ、自己肯定感が上がります。

相手に心から興味関心を持つことが重要です。初対面では以下のように相手の自己肯定感を高めるように行動しましょう。

  • 積極的に関わる:初対面で相手の出方を様子見していたり、のんびり構えたりしていると、相手に対して「興味はありません」という否定的なメッセージを伝えることになります。最初のあいさつから会話まで自分から関わり、楽しそうな身振り手振りなどのボディランゲージを使ってポジティブな雰囲気を作り出しましょう。
  • 興味を示す:相手に心から興味・関心を寄せると、好印象をもらいやすくなります。人は関心にとても敏感であるため、自分に向けられている相手の興味・関心の程度がすぐに分かります。興味・関心は相手の話をただ聞くだけでなく、体の向きやアイコンタクト、うなづき、質問、反応などの身体的な動作も大切な要素です。多くの人はアイコンタクトで見つめる時間が少ないため、少し長く見つめるようにすることが効果的です。
  • ほめる:ほめると相手からの好感度が上がり、気分を高揚させます。ただし、本心ではないほめ言葉を言うと相手は分かってしまうので、相手を心からほめるポイントを探してほめるといいでしょう。
  • 名前を呼ぶ:相手の名前を呼ぶことは「私はあなたの名前をちゃんと記憶しています」という肯定的なメッセージになります。人は自分の名前に特に注目してしまう習性があるので会話に集中させる効果があり、好意的な反応と感情を引き出すことができます。

多くの人が苦手であるため、特に意識すべきなのはアイコンタクトになります。アイコンタクトができずにチラチラと相手を窺うように見ると、自信のない人だという印象を周囲に与えることになります。自信のない人は魅力的に見えないのは言うまでもありませんよね。

こちらから先に相手を評価することで、相手から評価されやすくなります。特に初対面に与える印象という点では重要です。

ギフト2「つながりを示す」

相手との共通点を見つけることで、相手から好意を得ることができます。これを心理学では「類似性の法則」と言い、相手と共通点があることで味方だと安心することができ、信頼感や好意を持たれやすくなることが分かっています。

出身地、遊ぶ場所、趣味、思い出や経験などの共通点があることを相手に示せばいいわけです。そのため、初対面では、広く話題を展開し、共通点があれば、相手に積極的に伝えていきましょう。客観的な共通点がなくても、「大人数のパーティーよりも少人数の集まりが好き」といった価値観や感情に関する類似点があればおっけーです。

相手に興味関心を寄せながら、つながりを伝えていきましょう。

ギフト3「ポジティブな空気をつくる」

ポジティブな空気を作ることで、相手から「楽しい人」と思われ、好印象をもらいやすくなります。人は明るい気分になったり、笑ったり、元気をもらったりするのが好きです。そして、そのような気分にさせてくれる人に惹かれます。

爆笑を生み出すようなお笑いを取る必要はありません。ポジティブな空気を作るには、以下を心がけてください。

笑顔でいる:笑顔でいることで相手からの印象が良くなります。笑顔の効果はそれだけではなく、自分の気分を上げることもできるので、一緒に楽しく過ごすことができます。
その瞬間に集中する:相手と一緒にいるときに仕事の不安、お金の心配などを考えていると、相手に「何か別のことを考えているな」と見抜かれてしまいます。特に初対面では、気になることがあっても、相手との関係構築に集中しましょう。
ユーモアを作り出す:ユーモアのある人は一緒にいて楽しいため、誰からも好かれます。日頃からポジティブで遊び心や楽しい要素に注意を向けて、人に話すようにしましょう。
最初の話題はポジティブにする:第一印象で全体を判断する傾向は会話にも表れます。最初の会話がネガティブだと自分自身もネガティブな人だと認識されてしまいます。最初の話題はポジティブを徹底してください。
いつもより1段階、元気に振る舞おう:気分は見た目、言葉によって相手に伝わります。ムード指数(MQ)の要素は、エネルギー、表情、話し方、声量、語彙、モノの見方から構成させています。あなたのムード指数が低ければ、つまらない人だと思われ、相手もネガティブな気分になりますし、嫌われているのではないかと相手に勘違いさせる可能性が高まります。ムード指数を1から10の数字で考えて、1つ上のレベルを目指して、笑顔を増やす、声のトーンを明るくするなどが効果的です。

まず自分がネガティブだと雰囲気が悪くなってしまいますので、逆にポジティブな要素を増やせば、お互いの雰囲気も良くなっていきます。

ギフト4「好奇心を満たす」

人は強い好奇心を持っており、常に何か新しいことを学びたいと思っています。相手に有益な情報を与えるスキルがあれば、知性があり、面白くて魅力的な人に映ります。

本書では新しい知識を与えること、と書かれていますが、具体的にどのような話ならいいのかを分からない人もいると思いますので私なりの考えを挙げておきます。

  • みんなと共有したくなる情報:コアラの睡眠時間(1日18~22時間)、スカイダイビングで時速200kmが出るといった思わずみんなに話したくなるような情報を提供してみてください。相手のネットワークを広げたり深めたりする効果があるため、相手はあなたに好印象を抱き、魅力的だと思うようになります。
  • 多くの人に刺さるテーマ:ほとんどの現代人は「食」「旅行」「映像作品」の3つが好きなため、これらの話題で相手が興味を持つ可能性は高いです。変わったグルメを出すお店、旅行の穴場スポットなどを相手に教えてあげましょう。
  • 体験談、新しいこと:ダイエットでいかにして痩せたかなどエピソードを交えて話すと、嫌味にならずに好奇心を満たすことができます。話題になっているスポットやアクティビティも有効です。個人的な体験談は自己開示にもなり、より充実した会話に結び付きやすくなります。

自分には知性がないとお悩みの方は、まずは本を読んでみましょう。幅広い知識や洗練された考え方は読書で得ることができます。まずは自分の趣味・好きなものに関するものから、仕事や料理などの実用的な知識を学んで実践してみてください。自分の趣味や実用的なスキルが話したり、披露したりする機会が多いからです。知識や考え方は読書で得て実践することで、自分独自の魅力を高めつつ、相手に知的な印象を与えることができます。

男性は好奇心を満たすというと自分の知識を延々とひけらかしたり、個人的な話に終始したりしまいがちです。会話の際に、相手の様子を伺いつつ、つまらない様子だったら、話を軌道修正するというように柔軟に対応することが大切です。

初対面の会話を成功させるコツ

初対面の会話でも「相手のニーズを満たすこと」が重要になってきます。自分が話したいことを話すのではなく、相手が話したいことを聞き、相手が知りたいことを話すようにしましょう。

他にも初対面の会話を成功させるポイントをご紹介します。

  • 今この瞬間を話題にする:初対面で最も自然な話題は周囲の状況です。次点で相手の情報を事前に知っているなら共通点、何もわからないなら幅広い人が好きな「食、旅行、映像作品」に話題にするといいでしょう。
  • 相手によって話す分量やスピードを変える:相手がたくさん話す人ならこちらは分量を少なくし、相手があまり話さないならこちらは分量を多めにします。人は同じスピードで話す人に好感を持つので、相手が早口ならこちらも早口で応じ、ゆっくり喋るならこちらもゆっくりと喋ってみましょう。
  • 自己開示する:自分の個人的な話を打ち明けることで相手に信頼されやすくなり、深い話題につながりやすくなります。初対面では自分についての基本的な情報をポジティブに表現できるように準備しておくといいでしょう。
  • 「知らない話題」は教えてもらう:自分が知らない話題が出てきたら、話をそらしたり、無視したりするのではなく、相手に教えてもらいましょう。むしろ、新しいことを学んで新しいチャンスと捉えることで、相手は興味を持ってもらったと感じます。

まとめ:第一印象が良ければ、チャンスは無限

第一印象が良ければ、ビジネスだけに限らず、恋愛、友達との人間関係でも次につながる確率を増やせますので、チャンスが大幅広がります。多くのチャンスを活かすことができれば、幸運をつかむことが可能です。

今回は初対面の相手への接し方を紹介させていただきましたが、もちろん見た目も重要です。自分の髪型やまゆげ、ひげなどの身だしなみを整え、おしゃれな格好をして、清潔感のある人でなければ、いくら接し方が良くても最初で「ないな」と思われてしまいます。見た目については以前のブログ記事、「髪型で失敗しない方法」「定番の服のコーディネート」を参考にしてみてください。

私はポジティブな空気を作るという意識はさっぱりだったので、これから努力していこうと思いました(会話の時はみんな色々考えているんですねぇ)。また、みんなで話せる楽しい経験を増やしていこうと思います。最近できていなかった旅行、ドライブ、グルメ巡りなどもトライしてみるか…

第一印象に関するおすすめ本

「第一印象」の魔法――あらゆる出会いがチャンスに変わる
こちらの本は「初対面で好印象を与える方法」を教えてくれます。
著者は心理学博士であり、経営者などの「第一印象」のコンサルティングに特化したファースト・インプレッション社の創業者です。
すぐにでも第一印象を良くする実践的な方法を知りたいという方におすすめの本です。

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