一生懸命頑張りすぎて疲れていませんか?
今では競争が当たり前の価値観として受け入れられて、お金、名声、地位などを得るための競争が過酷になってきています。学歴社会の韓国では高校生が朝8時から夜10時まで勉強することは珍しくありませんし、中には深夜の2~3時まで勉強して、1日16時間勉強するという受験生もいます。勉強以外でもフォロワー数、いいね数、再生回数や閲覧数、売上目標など私生活やビジネスでも数値を気にするようになってきています。
今回は、フリーのイラストレーターのハ・ワン氏の著書『あやうく一生懸命生きるところだった』から現代社会に疲れた人のために「ゆるく生きる方法」を紹介します。ハ・ワン氏は会社とイラストレーターのダブルワークで心身が疲れ切ってしまい、ノープランのまま39歳で仕事をやめて、フリーのイラストレーターになったという経歴の持ち主です。
一生懸命に頑張らないことの大切さを知ることができ、人生に余裕を持つことができるようになりますよ。
何のために頑張ってる?
私たちは競争社会の中で生きています。お金持ち、有名人など「何かになりたい」という思いを持ちつつ、「何もなれない」自分に不満を感じている人は少なくありません。一生懸命頑張っても何にもなれないので、負けているという妙な敗北感を感じていませんか。
しかし、私たちは何のレースに負けているんでしょうか?
・誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会?
・誰が一番出世するでしょうか大会?
・誰が一番幸せになるでしょうか大会?
恐ろしいのは、無意識のうちに、不毛なレースに参加させられていることです。しかも、大勢の人がトップを目指そうと必死になっています。こんな無意味な競争に人生の全てを捧げるくらいならいっそ棄権してしまいましょう。
レースの場外に一度出てしまえば、自分や他人の成績に興味を示さなくなりますし、良い成績を出そうと自分を犠牲にすることはありません。
努力は絶対に報われるわけじゃない
努力すれば必ず成功できるわけではありません。
私たちは小さいころから「一生懸命やりなさい」「がむしゃらに頑張れば報われる」といった精神論を刷り込まれています。この「努力こそ全て」という言葉を信じて生きています。
しかし、「友人のオーディションについていっただけでデビュー」「家がお金持ちで苦労することなく成功」「偶然の出会いで人生好転」などの例は枚挙にいとまがありません。大人になるにつれ、努力だけですべてを解決できるわけではないことを実感します。
現代では競争相手がほぼ無限で最初は勝ったと思っても挑戦者が次々に出てきますし、成功には運の要素も非常に重要です。もし成功できなくても、あなたの努力が足りないせいではありません。
成功には運が大きく左右するにも関わらず、理想像に囚われてハードワークをして、人生を楽しめないほうが損です。
「何もしない」は、 最高の贅沢
ハ・ワン氏は、会社員時代、仕事以外の時間を映画鑑賞やネットショッピングで「何かをすること」に追われていました。その後、会社をやめてからは、自分の時間をたくさん持てるようになりました。
会社員だった頃はやりたいことだらけでしたが、有り余るほどの自由時間を目の前にするとやりたいことが見つからなくなったそう。そのときに自分は何かをやりたいわけではなく「何もしたくなかった」、何もしない自由を得たかったことに気づいたと言います。
「時は金なり」という価値観が浸透している中で、「何もしない時間」は最高の贅沢です。やるべきことがない状態で、ぼんやり過ごしてみると満ち足りた気分になります。
何もしないことはムダどころか充実感を感じられます。日々の生活で枯渇したエネルギーを、何もしないことでチャージしましょう。
「ムダ」こそ、 人生の醍醐味
余暇をたまにはノープランで過ごしてみてください。たとえ、それが1人でもパートナーと過ごすときでも同じようにしてみましょう。
外出したくなったら、とりあえず家を出て、その日の気分でどこに行くかを決めてみます。目的もなくぶらついて、行きたいところや良さそうなお店があればフラッと立ち寄る。
歩いているときには「昔に住んでいたところもこんな雰囲気だった」とか、「色がオシャレな建物だ」とか、取るに足らない話をして過ごしてみましょう。でたらめに歩くので道に迷うこともありますが、決まった目的があるわけではないので焦ることはありません。
計画は大事ですが、計画に束縛されると義務となってしまい、せっかくの余暇を楽しめなくなります。計画以上に大切なものは「のんきさ」です。ムダを楽しむ余裕こそが人生を楽しむコツです。
デートも散歩も旅行も、できれば人生も、 目的のない旅を楽しみましょう。
人生の過程を楽しむ
ハ・ワン氏はレザークラフトを習ったとき、ボンド塗りや手縫いの過程がすべて面倒に感じられたそう。「ミシンのほうが早い」「既製品のほうが経済的」と面倒な作業をせずに、結果だけを手に入れたいという思いになって、興味を失って、レザークラフトをやめてしまいました。
このことを友達に話したところ、「どうして?そこが楽しいのに」と言われたそうです。友達曰く、
お金を出して手軽に買えるものをわざわざ手作りするのは、出来はどうあれその過程を楽しみたいからだ。 面倒な途中の過程も、集中して没頭できる貴重な時間であり、腹が立つほど時間がかかるのも、いつか必ず形になる喜びのためにある。これこそ真の娯楽なのだと。
ハ・ワン氏は結果ではなく〝過程そのもの〟が目的だと聞いて、ガツンと殴られたような感覚を覚えました。
人生でも結果のみを求めて、過程をいつも楽しんでこなかった。いかに効率的に目標を達成できるかを考えていたため、その途中過程を楽しもうなんて思いもしなかった。その過程だって十分に楽しめたはずなのに。
生きるなら、「一生懸命」より「楽しく」のほうが良いですよね。結果のために耐え忍んで一生懸命頑張る人生は終わりにして、過程そのものを楽しめる人生にしましょう。
まとめ:ゆるく生きることは人生を楽しむ秘訣
終着点は重要じゃない。旅の途中でどれだけ楽しいことをやり遂げているかが大事なんだ。
スティーブ・ジョブズ
『あやうく一生懸命生きるところだった』の主張には個人的にとても共感がポイントが多かったです。このブログをお読みの読者は科学的な根拠も知りたいという方もいると思いますので、研究を紹介します。
- 競争のレースから降りる:お金持ちや高い地位を求めるレースは棄権しましょう。金、物、地位などの外的な目標に執着している人は幸福度が減少して、挫折しやすいことがオーストラリア・カトリック大学らの研究で判明しています。
- 努力は報われるわけではない:成功は個人の能力よりも運で決まります。カターニア大学の研究によると、社会的な成功において「能力」よりも「運」が重要であることが分かっています。努力で報われないことがあるという事実から、過度なハードワークは危険ということが分かります。
- 過程を楽しむ:目標や効率を持ち込まない時間を作りましょう。一見ムダだと思える時間かもしれませんが、楽しみを重視する人は幸福度が高くなることがバース大学らの研究で明らかになっています。運動、創作、サウナなどの自分が純粋に楽しめる活動をしてみてください。
本書を読んで、目標達成には短い時間で全力を注ぎ、あとの時間は肩の力を抜いて、ゆっくりと楽しく生きるくらいのスタンスがいいと思いました。ゆるく生きるための方法は、「なぜぼーっとすることが大切なのか?」「何もしない時間で生産性の罠から解放されてストレス解消になる!」を参考してみてくださいね。
ゆるく生きるためのおすすめの本
あやうく、一生懸命生きるところだった
・あやうく、一生懸命生きるところだった
一生懸命に生きて疲れてしまった人がゆるく生きる方法を知ることができます。
競争社会のレースから降りること、何もしないことの贅沢さ、楽しみをただ追求することの大切さを教えてくれます。
頑張りすぎて疲れている方におすすめの本です。
精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方
・精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方
こちらの本は楽しむことのメリット、楽しみ方を教えてくれます。
誰にでも実践できる内容で読みやすく、おすすめの娯楽やリラックス方法を紹介してくれるため、参考にするといいですよ。
楽しむことに罪悪感を感じる、楽しみを増やしたいという方におすすめです。
ゆるく生きるためのおすすめの体験
海を眺めてぼーっとする
海を眺めてぼーっとしてみましょう。海を見ていると、リラックスできて、心が落ち着きます。海の音はストレス解消、痛みを軽減させ、健康やポジティブな感情、認知機能を増進させることがカールトン大学らの研究で判明していますよ。
海は昼間、夕方、夜で景色が変わるため、いつでも楽しむことができますし、飽きません。アウトドア用の椅子を持っていくと好きな位置で海を見られるのでおすすめですよ。
サウナ
息抜きしたい、リフレッシュしたいときは、サウナがおすすめです。サウナに入ること自体が楽しいですし、健康効果や気分向上などの様々なメリットがあるので、趣味にしてもいいです。
サウナに入ると運動と同じような効果があり、
- 全身の血流が良くなる
- 汗で体の老廃物が体外へと排出される
- 脳内麻薬とも呼ばれる「β-エンドルフィン」で気分爽快になる
- 幸せホルモン「オキシトシン」で多幸感を得られる
- 「セロトニン」で精神が安定する
- 自律神経を整える
- ほど良くカラダが疲れるので安眠できる
といったメリットがあります。
個人的には、サウナは運動よりも脳疲労が解消したスッキリ感、多幸感は強いと感じています。幸せな気分に包まれるため、人付き合いや仕事前のタイミングでサウナに入るといいでしょう。
サウナの入り方などは以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。