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シリコンバレー流「ビジネスで成功する方法」──『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』

2023年5月16日

ナヴァル・ラヴィカント氏の対談、ツイートなどをまとめた『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』を読みました。本書はビジネス、幸福などの幅広いテーマに及んでおり、どのテーマも人生で大切だと無意識に思っていたことを言語化してくれていたり、新たな考え方を教えてくれたりと人生哲学の本としてかなりおすすめです。

ナヴァル氏はエンジェルリストの共同創業者でCEOであり、TwitterとUberに投資して大成功した投資家でもあります。エンジェルリストはスタートアップ企業を資金や人材面でサポートしている企業です。ナヴァル氏はシリコンバレーの生きる伝説とも言われ、ポッドキャストなどで健康や富、幸せなどの人生のアドバイスを発信しています。本書はそれらをまとめたものとなっています。

今回は、「シリコンバレーの伝説が語るビジネスで成功する方法」を紹介したいと思います。

個人的には、すべてにおいて複利で考えることが参考になりました。複利というと投資のイメージでしたが、知識や人間関係でも長期的な積み重ねが複利のように膨れ上がっていき、とんでもないくらい豊かになれるんですね。すべては複利のように考えることで日々の一瞬一瞬の行動をさらに大切にすることができました。

すぐ動く。待っていても若くはなれない

今ここに在ることを何よりも優先せよ

何かをやると決めたら、つべこべ言わずに、素早く一心不乱にやりましょう。迷っている間にも人生はどんどん過ぎていきます。迷うこと自体が時間の無駄です。

そして、行動したら、結果はじっくり待ちましょう。何事もそう簡単に結果は出ません。ビジネスも複雑な仕組みでたくさんの人が関わっているので一朝一夕で成果は出ませんし、人間関係は一緒に過ごした時間の長さが大切です。結果を気にせずに気長に構えましょう。

素晴らしいプロダクトを生み出すには、長い時間をかけて自分独自の知識やスキルを高めなければなりません。最初は結果を無視して、自分を高めることに集中し、トップになれる態勢を整えましょう。楽しみながら続けていくことが必要です。

やりたい分野を決めたら、自分の周囲に成功できる環境を作り出しましょう。自分の望む行動をする後押しになります。行動経済学の分野では「ナッジ」と呼ばれている考え方ですね。

依頼人の利益のために働くはずの代理人が、依頼人の利益に反して代理人自身の利益を優先した行動を取ることを、プリンシパル・エージェント問題と言います。代理人にとっては依頼されたことは他人事のため、必ずしも全力で物事に取り組むとは限りません。重要な仕事は、本気で気にかけていない他人に任せるのではなく、必ず自分で取り組みましょう。

すべてにおいて「複利」で考えよ

人生のよいことはすべて複利で増える

複利はとても強力な概念で、投資だけでなく、スキル、人間関係にも働きます。投資家として世界的な有名なウォーレン・バフェットもお金を増やすにあたり複利を重要視しているほどです。

自分で「これは」というものを見つけたら、思いっきり投資しましょう。自分のリソースを集中投下すれば、複利の効果で大きな見返りを得ることができます。ただし、全力を傾ける対象は慎重に選ぶ必要があります。選択基準としては、自分がやりたいことか、長期的にできることなのといったことがポイントになります。

自分のモノサシでやりたいことを追求していると、それがいつの間にか得意なことになり、自分らしさにつながっていきます。人は一人ひとり違うので、自分らしさを極めてプロダクトを作れば、他の誰にも太刀打ちできない武器となります。「自分らしさ」で競争から抜け出すことができるのです。

人が欲しがる面白いものを作って、上手く売る方法を学べば、無敵です。今の時代は世界中の人とつながるネットがあるので、どんなニッチな分野でも面白いものをネットで表現するだけで、事業を興して富を築くことができます。ナヴァル氏の信条を紹介します。

人が欲しがるおもしろいものをつくれ。技を披露し、技を磨けば、しかるべき人が君を見つけてくれる

読書で人生を変えるスーパーパワーが手に入る

読書(学習)は、ほかのどんなスキルの習得も可能にする、究極のメタスキルだ

読書は新しいメンタルモデルを最も効率よく構築する方法です。メンタルモデルとは、人が無意識に持っている価値観や思い込みのことです。

メンタルモデルによって、思考が形成され、思考を元に行動が決まります。新しいメンタルモデルが形成されると、行動を変えることができます。読書が好きになれば、人生を劇的に好転させることができるスーパーパワーが手に入るということです。

読書を好きになるためには、夢中になれる本を読みましょう。ただ楽しんで本を読んでいくうちに、良書が見つかります。読書は何冊読んだかという競争ではありません。良い本ほどゆっくり吸収することが大切です。

ナヴァル氏曰く、自分の頭で明晰に考えられるようには、数学、科学、哲学の本を読むといいとのこと。特に数学と論理学を習得すれば、どんな本も怖気づかずに読むことができます。また、原典や古典も読むことも思考する力を鍛えることができます。進化論を読むなら、リチャード・ドーキンスではなく、原典であるチャールズ・ダーウィンの本から読み始めましょう。

読書などで学ぶ習慣が身につくと、お金を稼ぐための方法は見つけやすくなります。社会の動き、価値や需要をすばやく察知することができるからです。学習では基礎を完璧に理解すると、高度な概念につなげたり、現実に応用できたりするので最優先で基礎を身に付けましょう。

まとめ:自分のやりたいことに全集中しよう

健康、愛、使命、この順番だ。ほかに大切なものなど何もない

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』の中でもビジネスで重要だと思うポイントを紹介させていただきました。本書では他にも「自分をプロダクト化」「幸福になる方法」「事業を所有する」などの有用な知識を紹介してくれています。最初から最後のページまで役立つ内容が満載なので、終始興味深く読むことができました。

個人的には、2023年に読んだ中で一番おすすめできる本です。久々に自分の考え方にガツンと来るものがありました。本書はPDFで無償でも提供されているので、ぜひ読んでみてくださいね。

人生哲学でおすすめ本

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
こちらの本は富の築き方や幸福になる方法を教えてくれます。
人生をより良く生きるためにどのような考え方や行動を取ればいいのかを本質的な観点から知ることができます。
何を読むか迷ったら、まずはこの本から読んでみてください。

習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法
「習得への情熱」はチェスと太極拳のトッププレイヤーであるウェイツキン氏が書いた本で、トップに至るまでの思考や練習法を教えてくれます。
技術や知識を内面化する「数を忘れるための数」、内面化した技術を高度化する「小さな円を描く」といった一流になるための学習アプローチやプロとしての生き方を学ぶことができます。
特定の分野でトップになりたい、プロの生き方に触れてみたいという方におすすめな本です。

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