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スマホがパートナーとの絆を引き裂く!人間関係を壊すファビングの危険性

2023年6月15日

アメリカでは「ファビング」という言葉が広まっています。ファビング(Phubbing)とは、"フォン(phone) "と "スナビング(snubbing)"を組み合わせた合成語で、スマホに気をとられて、目の前にいる人とのコミュニケーションに十分な意識を向けないことを意味します。これが配偶者や大切な人と一緒にいるときに起こっていると、パートナーファビング(Pphubbing)と言います。

実際に、交際している女性の70%がパートナーとのやりとりの中でファビングが起きていると報告しています。人間関係における満足度は「相手が自分のニーズや欲求を満たしてくれていると感じる度合い」で決まるため、コミュニケーション中にスマホを持ち込むとお互いに不満を抱えやすくなります。

今回は「ファビングは人間関係の満足度を下げるぞ!」というベイラ―大学の研究を紹介します。

参加者は145名で、Pphubbingのレベル、スマホ使用によるパートナーとの衝突、人間関係や生活の満足度、うつ病、対人愛着スタイルのアンケートに回答してもらっています。

その結果は、

  • Pphubbingがスマホに関するパートナーとの対立を増やし、お互いの関係満足度を低下させていた
  • 不安型の愛着スタイルを持つ人は、スマホが原因となって対立することが多かった
  • Pphubbingは、人間関係の満足度、ひいては人生の満足度を通じて、間接的にうつ病に影響を与える

とのこと。当たり前ですが、Pphubbingは人間関係の満足度に悪い影響を与えて、人生の満足度まで下がってしまうんですね。スマホは本当に怖いですね…

研究者曰く、

結婚という制度(恋愛関係全般)が攻撃を受けている。全結婚の約40~50%が離婚に至り、一方、そのままの結婚生活の多くは、機能性が低く、パートナーの一方または両方の関係満足度が低いという特徴がある。人生はスマホによって大きく左右されるようになったようだ。もともとコミュニケーションツールとして設計されたスマホが、恋愛パートナー間の満足のいく関係を育むどころか、むしろ邪魔をしている可能性があるのは皮肉な話である。この論文は、パートナーファビングがスマホの使用をめぐる葛藤を生み、その結果、報告された関係満足度、個人の幸福に影響を与えることを示唆している。(中略)不安型愛着者の数は過去数十年間着実に増加しており、今後も増加すると考えられていることから、Pphubbingの悪影響は時間とともに強くなっていく可能性がある。また、関係性満足度が生活満足度に正の影響を与え、それがうつ病に負の影響を与えることも明らかになった。Pphubbingのうつ病に対する間接効果は、関係性満足度、生活満足度の順で有意であった。まとめると、恋愛相手がいるときにスマホをどのように使うかは、相手の関係に対する満足度に影響を与え、その結果、相手の個人的な幸福にネガティブな影響を与える可能性があるということである。夫婦関係や家族関係の満足度は、個人と家族の幸福の基礎であることから、テクノロジーの使用が人間関係に与える影響を調査する研究は重要である。

だそう。人間関係の満足度はスマホ利用の有無で大きく左右されるようになったということですね。自分の行動もスマホに影響されるので、いかにスマホを使うかは現代人の大切なテーマと言えそうですね。

スマホは人間関係に悪い影響を与えますし、心身が疲弊する原因にもなります。スマホの使用を減らす方法は以下の記事で紹介していますので、ご覧ください。

スマホに費やす時間はパートナーとの有意義な交流を減らしてしまうことからも人間関係の満足度が低くなる原因となっています。夫婦関係の研究で有名な心理学者のジュリー・ゴットマン先生も「人間関係は相手に十分な関心を向けることが重要」と言っています。たかがスマホと侮るのではなく、パートナーと過ごすときにどちらかがスマホを使っているなら真剣に話し合いをしてもいいかもしれませんね。

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