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スマホ使用を最小限にして、幸福を手に入れる方法

突然ですが、過去の素晴らしい体験を思い出してみてください。

子どもの頃の夏休み、青春時代の恋愛、友達との交流などの様々な思いでがあると思います。懐かしかったり、嬉しくなったりするような記憶です。

思い出に残っている体験は、スマホをいじっているものではないですよね。スマホはあくまで目的のための手段であり、人生を充実させるものではありません。しかし、「暇さえあればスマホを見る」といった、スマホを触ること自体が目的になっている人は少なくありません。

スマホをいじってしまう原因は、中毒性の高いコンテンツで溢れているからです。X(旧Twitter)やInstagramといったアプリだけでも中毒性が高いのに、スマホはそれらをすべてインストールできるので、最強の中毒物質といっても過言ではありません。「スマホがやめられない」が世界的に蔓延しているのも納得できますよね。

そこで今回は「スマホをやめる効果、スマホ使用を最小限にする方法」を紹介します。スマホの使用時間を最小限にすると、本当に幸せになれる活動に時間を使うことができます。「暇だとスマホを使ってしまう」「人生に不満がある」という方におすすめです。

スマホ使用を最小限にする3つの効果

Job総研が2,215人の社会人を対象にした2022年の調査では、スマホ使用時間はコロナ前では1日平均3時間32分、コロナ禍では1日平均4時間54分も費やしていることが明らかになっています。「スマホを見ているうちに無意識に時間が経っている」では75.3%、「少し時間が空くとスマホを開いている」に64.2%となっており、暇な時間をつぶすためにスマホを使っていることが分かります。

スマホの利用時間や使用理由からスマホ依存の人が多く、7割くらいがスマホ依存症と考えられています。大多数の人が多くの時間をスマホに使っていますが、スマホをやめることで得られる効果は大きいです。

スマホ使用を減らすメリットを紹介します。

  1. 疲れが減る:スマホ使用は脳の認知機能を使い、スクリーンを見るので、脳と目に負担がかかります。ラドバウド大学などの研究でも休憩中にスマホを使うと脳疲労を引き起こし、疲労度が向上することが分かっています。スマホの利用時間や頻度を減らすだけで疲労感が減少します。
  2. 時間が増える:現代人は時間がないと嘆いていますが、それはスマホをイジる時間が多いことも原因になっています。多くの人は1日3~5時間もスマホを使っていますので、スマホを減らすことで人間関係、休息や勉強などに多くの時間を使えるようになります。時間が足りないという方はスマホ利用から見直しましょう。
  3. 人生が充実する:SNS、ニュース、動画漁りなどの暇つぶしを減らすことで、人生を充実させるオフラインの活動が増えます。スマホ断ちやスマホの利用時間を1時間減らしたグループはスマホの問題使用、気分の落ち込み、不安症状が減り、生活満足度と身体活動が向上したことが2023年の研究で明らかになっています。スマホ時間を減らすと、リアルな体験や楽しみに時間を使うようになります。

スマホをやめると1日の時間が増えるだけでなく、疲労度が減り、生きがいを感じられます。

「とりあえずスマホ」を防ぐことが大事

スマホは依存性がとても高いので、「スマホを触らないようする」といった精神力に頼る方法では失敗します。このような失敗を防ぐために、スマホ利用のルールを決めてください。

「とりあえずスマホ」を防ぐには、スマホは必要があるときだけに使いましょう。スマホの使用場面を決めておいて、それ以外では使わないことが大切です。スマホを使わない状態をデフォルトにして、必要な時だけに使用するんですね。

私は暇つぶしのためのネットサーフィン、YouTubeなどの動画をひたすら見ることをやめました。今では読書、情報収集、日記、連絡のときに使っています。あとは生活に合わせて、スマホ利用は必要最小限にとどめています。

何もすることがないとスマホをついつい触ってしまうので、1日のスケジュールを組んでおきましょう。夕食後は運動⇨入浴⇨勉強⇨読書のように決めておいて、スマホが入り込む余地をなくしておきます。オリジナルのスケジュールを作ってみてください。

スマホで特にやめたいこと

スマホでやめるものとして優先すべきなのが、利用の時間や頻度が多いものです。かける時間が多ければそれだけ時間が奪われているということですし、依存症にもなりやすくなります。

スマホで特にやめたいことは以下のとおりです。

  • とりあえずスマホ:暇つぶしのためのニュースチェック、SNS、動画漁りなどはやめましょう。スマホが癖になっていると時間があっという間になくなります。暇のときに何をするかを決めておきましょう。
  • SNS・ニュース:これらはメンタルに悪影響を与えます。SNSは他者比較、ニュースはネガティブな出来事にふれる回数を増やすので、気分が悪くなります。いきなりやめるのが難しい方は、見る回数を1日1回にして制限しましょう。
  • 通知:アプリなどの通知はオンにすると気になってしまうため、自分の注意力を奪うのはもちろんのこと、スマホを見る時間と頻度が増えます。通知はスマホ利用のトリガーとなるので、すべての通知をできるだけオフにしてください。

スマホのアプリは必須のモノ以外はすべてアンインストールするといいですよ。一度にやめるのが難しい場合は頻度や時間を減らす工夫をしてみましょう。

スマホを使わないなら何をする?

スマホが当たり前となっていて、暇な時間の過ごし方に悩む人も多いのではないでしょうか。

そんな方に提案したい活動が、「フィジカルな体験」です。フィジカルな体験とは身体的な活動のことで、スポーツ、運動や睡眠などの身体感覚を満たすものです。

フィジカルな体験は人間の生存本能を維持するための原始的な欲求を満たすため、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンなどの幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質が多く分泌されます。次のアクティビティがおすすめです。

  • ジム:運動は気分が良くなりますし、頭が良くなるわ、若返るし、よく眠れるようになるでいいこと尽くめです。筋トレ、有酸素運動で自分が好きなものをやりましょう。ジムにグループエクササイズ、スパやサウナがあるところだと他の楽しみも増えますよ。
  • ピクニック:天気が晴れの日に特におすすめです。レジャーシートを持っていき、ピクニックを楽しみましょう。テイクアウトや手作りのお弁当を食べて、のんびり過ごすのもいいです。キャッチボール、バドミントン、フリスビーなどで体を動かすことができ、昼寝、ぼーっとして疲れを取ることもできます。
  • カフェ:落ち着けるカフェでリラックスしましょう。飲み物や料理を楽しんだり、会話したり、勉強したりと様々な過ごし方ができます。テラス席で外の空気を吸って素敵な景色を見るのもおすすめです。

活動をデジタルからアナログにすることもおすすめです。スクリーンを見過ぎている人は集中力やセルフコントロール力が低くなる傾向があることがマッコーリー大学の研究で分かっています。フィジカルな体験はスクリーン時間を減らすので、電子書籍ではなく紙の本を読む、SNSではなくリアルで交流するといった感じですね。

まとめ:スマホを手放すときが来た

スマホにハマる仕組みは、中毒性の高いギャンブルやゲームと一緒です。スマホのアプリ会社はより多くの広告収入を得るために、ユーザーをできるだけスマホに釘付けにするようなアプリを開発し続けています。スマホを何も考えもなしに使っていると、ハマってしまうのは時間の問題です。

アプリ会社の思惑を知ったうえで、スマホとの付き合い方を考えましょう。不必要なアプリをやめるのもいいですし、最小限しか利用しない方法でもかまいません。自分が幸せになる使い方をしてください。

SNSは多くの世代でスマホ利用の中心となっています。TikTok、X(旧Twitter)、Instagramをやめた人は、自尊心が改善し、自分の見た目も気にしなくなったという研究がありますので、SNSの使用については特に注意しましょう。SNSをやめる方法は以下の記事で紹介していますので、興味がある方は見てみてください。

個人的にはスマホ利用を少なくしたことで体調や気分が良くなり、目の疲労が軽減されました。スマホを使っていると時間がないという感覚が強かったんですが、スマホ利用を最小限にしたら時間の欠乏感がかなり減りました。おかげでゆっくりとした時間を過ごせています。

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