「ミニマリズムのメリットって何?」
「どのように実践すればいいの?」
これらの疑問にお答えします。ミニマリズムは人気ですが、メリットや実践方法がいまいち分からないという方は多いのではないでしょうか。
ミニマリズムとは、無駄を省いて、最小限で最大の効果を得ようとする考え方です。自分にとって不要なものをカットすることで、大切なことに時間やお金などのリソースを注ぐことができるようになります。
本記事では、
- ミニマリズムの基本的な考え方
- ミニマリストの大きな3つのメリット
- ミニマリズムのおすすめの実践法
を紹介します。
ミニマリズムは目標達成にも役立ちますし、人生を楽しく生きるのに重要な考え方です。ぜひ身に付けてくださいね。
ミニマリズムの考え方
ミニマリズムとは、アートやデザインにおいて、余分なものを省き、最小限の表現で最大の効果を得ようとする考え方です。芸術分野から生まれたミニマリズムがライフスタイルに持ち込まれているんですね。ミニマリズムの本質は「選択と集中」です。
本来の定義から考えると、最大の効果を得ることが目的であって減らすことではありません。むしろ、減らすことで効用が減少したら本末転倒です。より良い結果を出すためなら、増やすことも考えましょう。モノを減らすために洗濯機を使わずに、コインランドリーを我慢して使っていたら非効率ですもんね。
ミニマリストを名乗るには絶対的な基準があるわけではなく、自分の大切なことのために減らす人であればいいということです。そのため、ミニマリズムは生活の様々な場面で利用できます。まずは以下から取り組んでみてください。
- 行動
- モノ
- 情報
これらを減らすことで得られるメリットを説明していきます。
幸せに生きるための考え方「引き算思考」
ミニマリストの考え方は、多くの人が陥りがちな「足し算思考」を「引き算思考」に変えてくれます。生活に足せば足すほど時間やお金がかかって生活のゆとりが失われますが、生活をシンプルにすれば時間やお金がかからなくなり、生活のゆとりを生み出すことができます。
足し算思考の恐ろしいところは、目標達成や幸せになるためにあれもこれも増やすという欲望ループにハマり、飽くなき欲求に囚われてしまうことです。足し算思考では幸せになるためにお金を使ってモノや空間を買ったり、時間を使って行動したりと、とにかく増やせばいいので自分の欲求を考える必要がありません。「もっとお金があれば」「欲しいものが手に入れば」と金やモノなどの表面的な欲求を追いかけて、手に入れても次々と欲望が噴き出してきて、常に満たされない状態になるんですね。
引き算思考であれば、「これを減らしても目的は達成できるか」と注意深く考えるため、本当の自分の欲求に気づきやすくなります。引き算思考をするには、「誰かと楽しい時間を過ごすために高級車はいらない」「家族と幸せに暮らすのに必要なのはたくさんのお金ではなく一緒にいる時間の質と量だ」と欲求を深いところまで掘り下げる必要があるからです。本質を見極める力が養われるため、自分の価値観が明確になり、見せかけではなく本来の欲求を満たしやすくなります。
ミニマリストの大きな3つのメリット
ミニマリズムは持ち物や手間が最小限になるため、心理的・物理的なハードルが低くなり、行動しやすくなるのに加えて、継続しやすいというメリットがあります。言うまでもありませんが、コツコツやることは目標を達成するのに必須のスキルです。
オーストラリアのラ・トローブ大学の研究によると、生活をシンプルにしている人は生活満足度が高いということが明らかになっています。生活をミニマリズムにすることで心理的欲求が満たされるとのこと。
ミニマリストのメリットを大きく分けると、以下の3つになります。
- 精神的な豊かさ
- 時間的な豊かさ
- 経済的な豊かさ
それぞれを説明していきますね。
1、精神的な豊かさ
ミニマリストである最大のメリットは、精神的な豊かさが得られることです。
ミニマリストは無駄なモノ、習慣、人間関係を手放すことで、自分の価値観に沿った行動ができるようになります。その結果、人生をコントロールできているという自己効力感が高まります。自己効力感の高い人は勉強や仕事のパフォーマンス、人生の満足度が向上し、家族の関係も良くなるというエモリー大学の研究で分かっています。
ミニマリズムでやることやモノが減るので脳にかかる認知的負荷が少なくなり、脳疲労が軽減します。頭を使う作業や動画やニュースの視聴の目に入る情報などの様々な活動は脳に認知的な負担をかけることがイリノイ大学の研究で判明しています。
精神的なゆとりができると、内省したり、全体を見渡したりして、自分自身や周囲への理解が深まりますよ。また、自分の大切なことに集中したり、以前よりもストレスフリーで過ごしたりすることができます。
2、時間的な豊かさ
ミニマリズムは1日の時間を大幅に増やすことができます。時間がないと感じている人は、幸福感や生産性が低くなるだけでなく、ストレスも多いことが研究で判明しています。
自分の所有物を減らすことで掃除や片付けが楽になり、時間がほとんどかかりません。外出や旅行時、引っ越し時の荷物も少なくなるため、準備に必要な時間が短縮されることも大きなメリットですね。
時間をとにかく増やしたい場合は、まず無駄な行動をやめましょう。人には変化を嫌って現状維持を好むという「現状維持バイアス」という心理的な傾向があるので、習慣的な行動をやめることに躊躇してしまいます。しかし、やめることで悪影響があるとわかったら、ただ元に戻せばいいだけです。
ミニマリズムで時間の余裕を手に入れたら、何もしない時間にしたり、リラックスや睡眠に充てたり、勉強などのやりたい行動に置き換えるのもいいでしょう。1日を気分良く、充実して過ごせますよ。
3、経済的な豊かさ
ミニマリストは行動、モノ、情報を最小限にするため、生活費が自然と下がります。クエイド・イ・アザム大学の研究では、ミニマリズムが経済的な豊かさ、高い精神性、幸福をもたらすことが分かっています。
経済的に豊かになる理由として、次のとおりです。余ったお金を投資に回せるので、お金が貯まりますよ。
- 無駄遣いがなくなる:買い物やサービスで本当に必要なモノかどうかを吟味して、心から欲しいモノだけを買うようになる。よく考えた上で購入したモノは愛着を持って、長い間、大切に使うことができる。
- 家賃が安くなる:持ち物が少ないため、狭い部屋でもスペースを広く使える。部屋は家賃が低くなるので、余裕のある生活ができる。
- 維持費がいらない:家、車や自転車などのモノは保険加入や必要な部品の取り換えなどの維持費がかかる。また、テレビなどの所有しているモノも経年劣化して新しいものに買い替えないといけない。モノを持っていなければ維持費や買い替えでお金がかからない。
- 交際費が減る:無駄な人付き合いを断捨離するため、飲み会1回につき、4000円ほどの出費をなくすことができる。
ミニマリストはモノを我慢するのではなく、むしろモノがないことに自由を感じたり、解放感を味わったりすることができます。
ミニマリズムの実践例
個人的におすすめなミニマリズムの実践方法を紹介します。好きなものを取り入れて、自分なりにアレンジしてみてください。
- モノは最低限:自分にとって本当に必要なモノを選び、それ以外は捨てましょう。捨てるかどうかの判断基準は1年以内に使用していないモノです。私の場合は紙の本はほとんど捨てて、電子書籍を読んでいます。最小限の生活必需品、自分の好きな趣味のモノをベースに残すといいでしょう。
- やることを減らす:1日の行動を徹底的に見直してやることを減らします。コツとしては、テレビ視聴をやめる、インスタグラムを見ないという「しないこと」を決めるといいでしょう。自分にとって当たり前のこともやめられないだろうかという疑問を投げかけてみてください。
- ほぼ1日1食:私は昼にコーヒーを飲み(たまに軽食)、夜はしっかり食べるという1日1食をしています。1食に30分かかるとすると、1日1食だと毎日60分の自由時間が増えます。1年で365時間で約15日なので、半月もの時間が新たに使えるということです。この時間を勉強や副業、好きなことなどに充てることができます。
1日1食を実践する際は、1日2食から始めて、徐々に1日1食にしましょう。時間が増えるというメリット以外にも、何もしないでスリムな体型をキープできますし、お金も節約でき、ランチ後の眠気もなくなるという、個人的には良いこと尽くめです。
ぜひみなさんも行動、モノ、情報の3点を意識して、ミニマリズムを実践してみてくださいね。
まとめ:ミニマリズムとは生き方をデザインすること
ミニマリズムは、自分の大切なものに集中して、それ以外を削ぎ落すことです。ミニマリストになることで、自分の価値観と向き合い、生き方を変えるきっかけにもなります。ミニマリストのなり方は以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
ミニマリズムの目的は減らすことではなく、最大の効果を得られるように減らすことです。そのため、人生を楽しむことや自己投資などの自分に必要な出費は惜しみなく使いましょう。
私は休日にはカフェで好きなコーヒーを飲んで、読書しています。外出すると、書店を見たり、日光を浴びながら散歩したり、美味しいものを食べたりして、気分良く過ごすことができますよ。
ミニマリズムのおすすめ本
手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択
・手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択
こちらの本はミニマリズムの基本を教えてくれます。
ミニマリストとは何か、ミニマリズムの実践方法を知ることで、自分の生き方をデザインして、お金、時間、心身の豊かさを得ることができます。
ミニマリズムに興味がある方やミニマリストにもおすすめの本ですよ。