本ブログでは、感謝で「学業成績が上がる」「人生に満足しやすくなる」などの効果を取り上げてきました。感謝の気持ちを持つことは、今ここに「ないもの」ではなく、すでに「あるもの」に目を向けることになり、幸福を感じやすくなるんですね。
今回は、「感謝でネガティブな感情が減少するだけでなく、ポジティブな感情が増えるよ!」というカルフォニア大学らの研究を紹介します。
この論文は3つの実験で構成されており、参加者に感謝したことを書いてもらい、気分、行動、身体症状、幸福度にどのような影響があるのかを調べてくれています。感謝の記録グループ以外には、面倒なこと、自分に影響を与えた出来事、下方比較グループがありました。下方比較とは、不幸であったり、優れていないと思う人を自分を比較することです。
感謝の記録は、実験1は週1回、実験2、3では毎日の終わりに書いてもらっています。1個ずつの実験を書くと長くなるので、いきなり結果からお伝えします。
その結果は、
・感謝グループは、自分の生活全体についてより良く感じ、次の週への期待についてより楽観的であった。また、体の不調が少なく、運動により多くの時間を費やしたと報告した。
・感謝グループは個人的な問題で誰かを助けたり、他の人に感情的な支援を提供したりしたと報告する傾向が高かった。
・感謝を毎日記録することで、ポジティブ感情が増加し、ネガティブ感情が減少した。睡眠時間が増えて、睡眠の質も改善した。さらに、幸福感に対する効果は、参加者の配偶者や第三者にも明らかだった。
とのこと。ポジティブな感情が増えるだけでなく、体の不調が減ったり、運動や睡眠時間が増えたりとナイスな効果が盛りだくさんですね。しかも、他の人から見ても、感謝している人は幸せそうだったというのもすごいですよね。
研究者曰く、
幸福感に関する古典的・一般的な著作で広く見られるのは、自分の満足感を最大化するための効果的なアプローチは、自分の恵みに意識的に感謝することである、というものである。これら3つの実験的研究の結果を踏まえると、この知恵には真実があるように思われる。我々の研究は、幸福に関する実証的な文献では報告されていない重要な発見をもたらした。
だそう。
自分にないものを得たときの喜びは毎日味わえませんが、自分にあるものを感謝して幸せな気分になることは毎日できますもんね。昔から宗教でも感謝が重要視されているのも納得です。
感謝を実践するには、今回の実験でも使われていた「感謝日記」をするといいでしょう。感謝のやり方は下記の記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
感謝におすすめ本
・親切は脳に効く
こちらの本は、科学的な視点から親切や感謝の効果を教えてくれます。
科学的に効果のある親切や感謝する方法を実践することができるようになります。
不満感を抱えている人や人間関係を向上させたい、幸せになりたいと思っている方におすすめです。