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先延ばしはなぜ起こるのか?その原因と3つの対策

「仕事のスピードを上げたい」
「物事に取りかかる前にダラダラするのをやめたい」

やらなければいけない仕事があるのに、すぐに取りかかれないときがありますよね。やらなきゃと分かっているのに行動できないと、後に自分が苦しい立場になってしまいます。

先延ばしは「ネガティブな感情に上手く対処できないこと」が原因です。行動する前にネガティブな感情に囚われて行動できなくなってしまうんですね。

本記事では、「先延ばしのやめるための3つの対策」を紹介します。先延ばしをやめることで、仕事の生産性が上がり、物事がすぐに始められるようになりますよ。

私は先延ばしをよくしていたのですが、ネガティブな感情に対処する術を身に付けることで大幅に減らすことができました。自由な時間が増えるという思わぬ副産物もありましたよ。

なぜ先延ばしが起きるのか

先延ばしが起こるのは、未来の行動に対するネガティブな感情が原因です。ニュージャージ大学の研究によると、強いネガティブな感情があった日の翌日には先延ばしが増えるということが明らかになっています。先延ばしをした日の翌日にはネガティブな感情になるわけでなかったので、ネガティブな感情が先延ばしを引き起こしているという結論になっています。

行動を起こす前に、「嫌だな…」「面倒だな…」というネガティブな感情が邪魔して、「他にもやる仕事があるんだよな」「面白いニュースないかな」などと思考がさまよい、挙句の果てには「明日やろう」と先延ばししてしまうことになります。行動前のためらいが嫌な感情や思考につながり、先延ばしになったり、無駄な時間が過ぎたりするはめになります。

作業自体への自分のネガティブな感情や思考が先延ばしになるいうことですね。先延ばしをすることで、自分を一時的に良い気分にすることができるので、嫌なことは後回しにしてしまいます。

先延ばしによるデメリットとは?

先延ばしは目標達成や仕事の邪魔になるだけでなく、他にも多くのデメリットがあります。ここでは一例を紹介しましょう。

先延ばしは健康面でも悪影響があるのが、恐ろしいところです。嫌な感情や思考にハマり込んでいるために起こる現象なので、嫌な出来事を繰り返し考えてしまう反芻思考と同じように身体・メンタル面でも破滅的なダメージを与えてしまうんですね。

ただし、適度な先延ばしは創造性を向上させることがイエール大学らの研究で分かっています。独創的なアイデアが求められるクリエイティブな仕事には先延ばしが役に立つということも覚えておきましょう。良いアイデアが出ないときは、散歩などで気晴らしをしてから仕事に取り組むといいですね。

先延ばしを防ぐ3つの対策法

先延ばしの原因がネガティブな感情であることが分かれば、対策は簡単です。先延ばしには以下の対処法が有効です。

タスクに取りかかる際に、

  • 余計なことを考えない
  • ネガティブな感情や思考から素早くタスクに注意を戻す
  • ポジティブに捉え直す

ことが大事です。そもそもネガティブな感情を起こさせない、リカバリーを早くする、自分の認知を良いものに変えるということですね。

具体的なテクニックを見ていきましょう。

メイン:マインドフルネス

マインドフルネス瞑想で注意力をコントロールする訓練をしましょう。タスク前にネガティブなことを考えなくなる、ネガティブな感情や思考からタスクに注意を素早く戻すことができるようになります。

香港教育大学の研究によると、マインドフルネス(今この瞬間に意識が向いていること)の向上は先延ばしを減少させることが明らかになっています。逆に先延ばしが増えると、マインドフルネスが低下することも判明しました。つまり、マインドフルネスの低下が先延ばしの増加につながり、先延ばしの増加がマインドフルネスの低下につながるという負のサイクルに陥ってしまうということです。

マインドフルネス瞑想はたくさんの種類がありますが、まずは次の2つの瞑想に取り組んでみてください。

  • 集中瞑想…1つの対象に集中するトレーニング。鼻呼吸で鼻腔内に通る空気の行き来する感覚に集中し、意識が他の物事に逸れたら、再び呼吸に意識を戻すという呼吸瞑想がおすすめです。特定の対象に向ける注意力を鍛えることができます。
  • 観察瞑想…自らの感情や思考を観察するトレーニング。意識を特定の対象に向けずにさまよわせ、「いつのまにか職場での嫌な出来事を考えていた」などと浮かんでくる感情や思考をただ観察します。感情や思考に囚われても、すぐに気づく力、自分と切り離す力を伸ばすことができます。

マインドフルネス瞑想をすることで、ネガティブな感情の発生を減らしたり、悪影響を軽減したりすることができます。今この瞬間に集中しやすくなることで、先延ばしを防いだり、先延ばしによる時間のロスも軽らすことができます。

サブ:リアプレイザル

ネガティブな感情をポジティブに捉え直すという「リアプレイザル」も有効です。スピーチやプレゼンなどの緊張する場面で「不安になっている」とマイナスに考えるのではなく、「ワクワクしている、体がパフォーマンスを上げようと心拍数を上げている」とプラスに再評価するんですね。

リアプレイザルでネガティブな感情が減少し、対人関係も良好になりやすくなることがスタンフォード大学らの研究で分かっています。「あの人は自分にだけ意地悪をしてくる」と物事を悪い方向に考え過ぎるのではなく、「苦手な人との付き合い方を学ぶ機会になる」というように良いところを見つけるので人間関係も良くなるんですね。

リアプレイザルは手軽なテクニックで即効性もあるので、日常的に使ってみてくださいね。

サブ:リフレーミング

ネガティブなことに対する自分の視点の枠組みを変えることでネガティブな感情に上手く対処できるようになります。このテクニックは「リフレーミング」といい、リアプレイザルと似ているテクニックになります。

失敗後に起きるネガティブな感情に有効なのは「リフレーミング」だということがケント大学の研究で分かっています。仕事で失敗したときに「自分は無能なダメダメ人間だ」と思うのではなく、「今後の成長のために良い経験をした」と見るほうがいいですもんね。

リフレーミングでおすすめなのは、10年後や20年後、死ぬ間際などの自分の未来の視点から現在の出来事を捉えることです。YouTubeを1日中見てしまう人だったら「10年後の自分はYouTubeをずっと見ていたことに後悔しないだろうか」と考えることで行動も変えやすくなります。未来視点のリフレーミングは短期的な視点から長期的な視点に切り替えさせてくれるんですね。

まとめ:先延ばし対策を日常的に実践しよう

先延ばしがなくなると、人として信頼されます。また、行動量が増えるので、成功や学習の機会が増えたり、良い偶然を引き寄せたりすることができます。

ネガティブな感情や思考に上手に対処する術を身に付ければ、先延ばしをなくすだけでなく、ネガティブなことずっと考え続けてしまう反芻思考を減らすことができます。先延ばしも反芻思考も、感情や思考に圧倒されてしまうという点では一緒ですからね。

先延ばしは日常生活で発生します。毎日を実践の場として、集中瞑想で目の前のタスクに集中する、ネガティブな感情や思考になったら観察瞑想でそれらを観察して自分と切り離してみる、といったことをしてみましょう。

先延ばし対策のおすすめ本

無(最高の状態)

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人生の苦しみを瞑想で対処する方法が分かりますので、先延ばしの原因となるネガティブな感情を対策できます。
そもそもなぜ苦しみが生じるのか、その対処法として瞑想をどのように実践すればいいのかを掘り下げて、紹介してくれています。
使用されている用語は難しいですが、何度も読み返すことで苦しみを緩和し、幸せを感じることができますよ。

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