子どもとの関わり方について知りたくはありませんか?
子育てのテクニックに関する情報は多いですが、子育ての方針となる情報はあまりないのが現状です。子どもとの関わり方が分からないと、どのように接していけばいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、『子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本』から「子どもと良好な関係を築くための子育ての本質」を紹介します。こちらの本は世界46カ国で翻訳されている200万部のベストセラーで、著者のフィリッパ・ペリーは心理療法士として、作家、テレビ、BBCラジオなどで活躍されている方です。
子育てで間違った考え方や行動があると、子どものとの関係に亀裂が生じる可能性があります。子育てでよくありがちなミスを避けて、子どもと仲の良い円満な人間関係を築くことができます。
親だからこそ周囲からのサポートは必要
自分のエネルギーが不足しているときに、子どものために時間を割き、温かい反応をすることは困難です。
子どもを傷つけるのは親が抱く感情や妄想ではなく、親がどうふるまうかです。親が万全な状態であればこそ、子どもに十分な愛情やサポートをしてあげられます。子どもを支えられる体制を築くのが親の役割でもあります。
もし疲労が溜まっていたり、不安を感じたりしているときは、誰かのサポートを受けてください。親が元気で子育てをできるように、以下を参考にしてください。
- 育児や家事の負担を減らす:育児、家事の負担を減らしましょう。人手を借りる、時短グッズを利用する、育児や家事の手間を減らすといったことが考えられます。親に余裕があれば、子どもにもっと意識を向けたり、睡眠を取ったりすることができます。
- 相談に乗ってもらう:誰かに相談したり、話をして共感してもらったりしてみてください。相談や会話によって心理的な負担が軽くなるだけでなく、周囲から協力を得られる体制を作ることにもつながります。
- 助けを求める:一番そばにいる親しい人に必要な助けを求めましょう。助けが必要なことを匂わせるのではなく、「夕食を作ってほしい」「午後6時から7時までは子どもの面倒を見てほしい」といったように具体的な行動を示します。
- 経済的な援助を受ける:子育てには経済的な負担も重くのしかかってきます。親や祖父母などの上の世代に助けを求めてみましょう。お金を振り込んでもらうのは難しい方も多いと思うので、実家で暮らしたり、子どもの面倒を見てもらったり、一緒に出かけたりして、経済的な面でもサポートをしてもらうことも考えましょう。
- 休息・リフレッシュ時間を取る:子どもとずっと一緒にいると疲れるものです。そのため、パートナー、両親などの協力を得て、休息・リフレッシュする時間を作りましょう。経済的な余裕がある方はスタッフが24時間常駐してくれて、赤ちゃんの面倒をみてくれる産後ケアホテルなどを利用するのもいいでしょう。
特に睡眠時間を確保することは重要です。睡眠を少なくても7~8時間取れるように、周囲と協力し合いましょう。
親がサポートを受ける目的は、子どもと良いつながりを築くためであって、子どもを突き放すためではありません。多くの親には家族や周囲の人間関係、有料サービスなどの様々な助けが必要です。
初めての体験が今後の世界観を決める
生まれたばかりの赤ちゃんは生きるが初めてで、すべてが初体験です。大人でも同じですが、初めての体験というのは深い印象を残します。
親がどのように関わるかによって、子どもの性格や世界観に影響を及ぼします。生まれ落ちた世界が安全で愛すべき場所であれば、生きていくことがずっと楽になります。災難やトラブルが降りかかったとしても、自分は大丈夫と思えれば、人生で道から簡単に踏み外れたりせず、早く立ち直ることができます。
赤ちゃんは生まれた瞬間から、親に対して自らニーズを知らせなければなりません。子どもから発せられるシグナルを読み取り、何を必要としているか理解できるかどうかは、親次第です。つまり、子どもはなんとかニーズを伝えようとし、親はそれに応じるというコミュニケーションを取る必要があります。
アタッチメント理論によれば、子どものニーズに対する親の反応によって初期の人生観が形成されて、アタッチメントの型が決まります。子どもにとって望ましいのは、アタッチメントのあり方が気楽で、親密で、愛情のこもったものである「安定型」のアタッチメントを育むことです。子どものニーズを満たしていないと、ひたすら愛情を求めるような粘着質で複雑なものであるか、あるいは愛情への働きかけがまったくできずに1人でいるほうがいいと思うといった「不安定型」のアタッチメントになってしまいます。
サインを観察して、対話する
赤ちゃんの感情に曖昧なものはほとんどありません。ニーズが満たされていないと、泣き出して必死に訴えます。
赤ちゃんが何を求めているかを理解するために、観察しましょう。観察した様子から、子どものニーズを特定して、親が取る行動を試行錯誤していきます。これを繰り返していると、相手が求めているものが徐々に分かるようになります。しかし、完璧な理解は不可能であることを覚えておきましょう。
赤ちゃんのニーズに応えたり、こちらから働きかけたりするときは、対話することも大切です。「これから、ベビーカーに乗せて、ベルトをするよ」「お腹が減っているんだね。これからミルクを作るよ」と子どものへの働きかけやニーズ、感情を言葉にしてあげましょう。
相手をよく観察することで理解が深まり、信頼関係を築けますし、子育てが容易になります。
助けるのではなく、サポートする
子どもにとって最適な環境が整っていれば、寝返り、ハイハイ、座ること、歩くことは自然にできるようになります。親のペースで自立を無理矢理促すなどして、自力で身に付ける機会を奪わないようにしましょう。
子どもの状況に応じて、助けるべきか、サポートするべきかを決めてください。手助け、サポートは最低限にして、子どもの力や自主性を損なわないようにします。
何もせず、ただそばにいて、子どもにリードさせます。必要があれば、その子が自力でできるようになるまで手を貸してあげましょう。
あくまで、問題を解決しようとする子どもに手を貸すのであって、親が代わりに解決するわけではありません。子どもが自立できるようにサポート役に徹します。
子どもを支配しない
親から見て、子どもはいつも「良い」行動を取るとはかぎりません。特に言葉が発達するまでは、ニーズを伝える手段が行動しかないからです。
子どもが不適切なふるまいをするのは、親を困らせようとしているわけではなく、感情やニーズを上手く表現できないことが原因です。親はなぜそうなったのか、子どもの行動を読み解くことが重要です。
子どもの言動から「この子の行動は何を伝えようとしているのか?」「もっと良いやり方でコミュニケーションが取れるように、手を貸せないだろうか?」と自問してみましょう。原因が分かれば、対策は用意になります。
もしあなたにとって本当に嫌なことがあるのであれば、境界線を引きましょう。「スマホやタブレットを乱暴に扱われると私は我慢できない」と自分を主語にしたアイメッセージで嫌なことをはっきりと伝えましょう。この境界線を超えてくるようであれば、「投げたり、叩きつけたりするなら、見えないところにしまうからね」と警告をしたうえで、不適切な行為が続くなら本当にしまいます。
お互いがWin-Winになるような解決策を考えましょう。どうしても嫌なことは境界線を引き、警告したうえで、必ず有言実行しましょう。親が真剣であれば、子どもは真剣に受け止めるようになります。
まとめ:子育ては一対一の人間関係
子育てで肝心なことは、子どもの自立をサポートして良好な関係を築くことです。そのため、子どもに一方的に指図したり、支配したりするのではなく、個人として尊重します。
子どもとの関係は宝物のように大切にしましょう。安全で、愛情に満ち、頼りになり、受けいれてもらえると感じられる家庭を築きことが何よりも必要です。
子どもに限らず、人間関係はお互いが発するシグナルのやりとりによって決まります。シグナルを使って、上手にコミュニケーションする方法は以下の記事をご覧ください。