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少子高齢化と人口減少の時代に、個人が取るべき対策とは?

日本は1970年から出生数が減少傾向にあり、人口減少と少子高齢化が進んでいます。労働者が減る一方で高齢者が増えるため、食品やサービス、公共料金の価格が上がるインフレが進行し、個人の生活が厳しくなっていきます。総人口が減ることで、消費者が減少するため、企業の利益も縮小していきます。

人口減少と少子高齢化によって、生活コスト増による生活苦、公共や民間のサービスの低下、都市一極集中による地方消滅の危機が到来します。生活に直結する問題であり、政府に任せっきりにするではなく、個人で対策していく必要があります。

そこで『人口減少と少子高齢化の日本で生きやすくするための個人の対策』を紹介します。人口減少と少子高齢化の根本的な問題は個人では解決できません。しかし、個人でもそれらの悪影響を防ぎ、メリットに変えることもできます。

日本の将来に訪れるであろう物価の高騰、人手不足、都市一極集中から生活の質や家計を守る方法を知ることができます。老後が楽にする方法やこれからの人生の生き方も分かるようになりますよ。

2080年には日本の人口が半減!

人口減少と少子高齢化のデータを見ていきましょう。

日本の人口は2010年の1.28億人から減少し続けており、厚生労働省のデータによると、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計されています。65歳以上の高齢者は3人に1人、14歳以下の子どもは10人に1人になるという計算ですね。

厚生労働省『我が国の人口について』

2023年の合計特殊出生率は過去最低を更新する1.20なので、上図よりも速いペースで総人口が減っていくと思われます。韓国の2023年の合計特殊出生率は0.72で、世界的にも出生率が下がっています。日本も合計特殊出生率が下がり続けたら、総人口がさらに減って、高齢者がますます増え、若者や子どもがほとんどいなくなってしまいます。

近年の出生数の急速な減少スピードを元にした『縮んで勝つ』によると、2080年に人口が5936万人で半減し、2120年には人口が2871万人で4分の1ほどになってしまいます。ここまで出生数が減ると、2080年に65歳以上が45.3%となり、高齢者が人口の半分ほどを占めることになります。

『縮んで勝つ ~人口減少日本の活路~』

政府の政策や人々の意識の変化によって、これからの日本の人口と少子高齢化は改善される可能性はありますが、現状のままでも良い暮らしができるように対策しておいたほうがいいでしょう。

少子高齢化と人口減少のダブルパンチによる3つの悪夢

少子高齢化と人口減少では、様々なモノに対する需要は増える一方で供給は減っていきます。物価の高騰、サービス供給の減少を想定して、自分で自分の身を守る必要があります。

人口の激減ペースでは2080年に人口の45%が高齢者になるため、食品や製品、サービスなどを供給する若い世代が高齢者を支えきれなくなってきます。社会保険や公的扶助などの社会保障費が削減され、個人の自助しなければならない範囲が広まる可能性も高くなるでしょう。

平成25年から年金開始受給年齢の段階的引き上げ、令和4年の高齢者の所得に応じた医療費の窓口負担割合の増額があったため、現在の医療費、年金、生活保護費の支給などの社会保障は、将来的に待遇が悪くなることも考慮しなければなりません。厚生労働省のデータによると、令和4年の生活保護世帯の56%は高齢者であり、年々増加傾向にあります。今のように年金が低くても生活保護を受ければいいというワケにはいかなくなる可能性があります。

少子高齢化および人口現象の主な3つ問題点を紹介します。

  1. 供給不足によるインフレが進行する:人手不足により食品やサービスを十分に供給できなくなるので、物価が上がります。さらに悪いことに、出生率が低いままだと若い人が減っていくので、物価がさらに上がり、生活自体が困難になります。インフレで貯金した現金は相対的に価値が目減りしていきますので、現在の物価のままの見通しの貯蓄だと老後が厳しくなるでしょう。
  2. 政府に頼れなくなる:働き手や消費の減少で国の主な歳入の所得税や法人税が減少し、税金高齢者の増加による社会保障費が増大して、国の予算が大きく圧迫されるので、社会保障の制度が手薄くなる公算が大きいです。イギリスでは、人手不足のため、介護、ヘルパーなどのサービスも一人当たりの介護時間をわずか5分~10分にして、買い物や食事、入浴などの手間がかかるサービスは受けられないという問題が起きています。
  3. 都市部以外の地域が消滅する:地方自治体全体の4割となる744の市区町村が「消滅可能性自治体」として消滅する可能性があります。人口が少ない地域は、バスや電車などの交通サービスの減少や廃止が行われるため、病院や買い物に行くことも難しくなります。しかも、人口過疎地は需要が少なく、供給コストが高くつくため、水道や電気やガスなどの公共料金が高くなるだけでなく、供給自体がストップすることもあり得ます。人が少ない地方では住むのが不便になっていくでしょう。
ジチタイワークスWEB『消滅可能性自治体とは?定義と現状を確認し、人口減少時代に取り得る対策を考える』

人口減少&少子高齢化社会の個人で取るべき5つの対策

人口減少と少子高齢化の社会で大切なことは、健康な身体を維持することです。元気に生活できる健康寿命を伸ばすことを意識してください。

そのためには、生活習慣病を予防していきましょう。糖尿病、高血圧などの生活習慣病は自覚症状がなく、動脈硬化、肥満や合併症などの他の病気も引き寄せてしまいます。体の調子は悪くなり、身体的な制限が多くなることで、生活のQOLが低下して、病気治療への労力やお金もかかってしまいます。

健康寿命を伸ばすために、悪習慣である運動不足、偏った食事習慣、喫煙や飲酒をやめましょう。例えば、喫煙者の一定期間内の死亡率は非喫煙者の約2倍でさらに平均寿命は10年短いとされており、がんによる死亡例のほぼ半分は「喫煙」「アルコール」「高BMI」などの危険因子だという研究があります。

住む場所、お金、自分のスキルなども大切になっていきます。それぞれの対策を見ていきましょう。

  • 都市部周辺の駅近に住む:都市部にアクセスの良い駅近物件に住みましょう。人口減少かつ都市集中社会では、ますます地方から都市部に人が流入してきます。ただし、人の流入が多い東京都でも2024年の人口で横ばいになり、2025~35年をピークとして減少に転じるとされています。都市部周辺の空き家は多いため、賃貸で住むのもいいですし、定住するなら駅近の戸建てやマンションを購入するのもいいでしょう。
  • インフレに強い資産を持つ:インフレに強い資産としては、株式がおすすめです。不動産所有もいいですが、将来的に空き家が増えていき、周囲の環境変化や災害リスクなどを考慮すると、運の要素が強くなります。株式投資は資産が複利で増えていくため、貯蓄を心がけて、現金化せずに投資に回し続けることが大切になってきます。インフレに強い資産を持つことで貯金したお金も目減りさせることなく、増やすことができます。
  • 一生働ける知識とスキルを身に付ける:専門的な知識とスキルを身に付けて、新しいことに挑戦し続けましょう。希少な知識を持っている人は仕事で重宝されるため、高い給与や充実した福利厚生をもらえる環境で働けます。成功のチャンスをいつでも掴めるように、新しいことにも挑戦していきましょう。YouTubeで高齢者のゲーム実況が人気になるなどの例もあるので、積極的に取り組んでみましょう。
  • 良好な人間関係を作る:友人や家族と良好な関係を築きましょう。幸福で一番大切なのは良好な人間関係です。悪い人間関係をダラダラと続けていると、メンタルに悪いだけでなく、不幸になってしまいます。人間関係では相手を尊重しながら自分の気持ちを素直に表現する「アサーション」や話しの聞き手として傾聴や共感を示す「アクティブリスニング」を実践しましょう。

コミュニケーションを伸ばす方法については、以下の記事がおすすめです。コミュニケーション改善のテクニック、会話を楽しくする方法を紹介していますよ。

まとめ:長期目線で今すぐに行動しよう

人口減少と少子高齢化のダブルパンチでも事前に想定していれば、対策は難しくありません。これらの状況下では健康とお金、人間関係は重要なので、まずはこれらから取りかかりましょう。

今現在を幸せに過ごせるようにしつつ、人生全体を考えた長期的な視野で行動しましょう。健康やお金、人間関係を破壊する思考や習慣はやめつつ、より良いものに置き換えていきましょう。自分の思考や癖にちゃんと向き合って、改善していくという真摯さが必要です。

私は体が好調だと気分も良くなるので、ジムで筋トレと有酸素運動はかかせないようにしています。ジムだと若者から高齢者と幅広い年代がいるので、一生の趣味としておすすめできます。

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