「もっと勉強しておけばよかった」「あの人と付き合わなければよかった」などと過去の選択を後悔する人は多いです。「もし…だったら」と考えられずにはいられないですよね。
後悔は思考の歪みとグルグル思考から生じます。高望みする人、ネガティブに考える人、意識をコントロールできない人は不満を抱きやすいです。これらの特徴がある人は、どんなに恵まれた環境でも満足できないので不幸になります。
後悔の念に悩ませられる人のために、『後悔をやめて、幸せになる方法』を紹介します。
過去や現在の選択を後悔せずに、満足して暮らせるようになります。自分ではどうすることもできないことをクヨクヨと考えずに、前向きに生きられますよ。
後悔をやめるには、現在にコミットする
以下のどちらが満足度が高いと思いますか?
「この人とはいつでも別れることができる」
「この人とはずっと付き合うことになる」
いつでも別れられると考えるよりも、ずっと一緒にいると考える方が満足度が高くなります。なぜなら、変更可能なものよりも、変更不可能なものを高く評価するという心理的な傾向があるからです。
変更可能なものには、批判的に評価して、保持するかどうかを見極めようとします。それに対して、変更不可能なものには長所を見て、短所を見ないようにします。変更可能だと自分の選択を良いものにするために吟味するのに対し、変更不可能だと対象を変えられないので良いところを見ようとするということですね。
この変更可能かどうかの線引きは人それぞれなので、「かけがえのないものだから大切にしよう」のような考え方に変えるだけで前向きな態度で日常に満足できます。反対に、「嫌な点があったら交換すればいい」と考えていると批判的な態度で不満を募らせていきます。
「選択肢を残しておきたい」という未練が後悔を生む
目の前のことに真剣に向き合うほうが幸せになるのにも関わらず、人は選択の自由を非常に重視するため、何も選択せずに中途半端な状態でいようとします。
選択肢を残すことを好む例はたくさんあります。結婚相手、仕事、人間関係の選択など、1つに決めて集中するのではなく、何も選ばないことで空想上の無限の選択肢を確保しようとします。
しかし、選択の保留は時間を犠牲にするだけでなく、人から嫌われる、スキル向上の機会を失うなどの多くのデメリットがあることを忘れてはいけません。結果を変えることを意識すると、主観的な満足度を下げる要因となってしまいます。
何も選択しない状態は慎重な判断で役に立つ場合がありますが、「もっと良い人がいるかも」のような漠然とした思いには悪影響です。このような答えが曖昧なものに対して他の選択肢を延々と検討しても答えが出ませんし、不満を募らせてしまいます。
後戻りできない選択と満足度を調べたハーバード大学の研究
「変更可能性は満足度をどのように影響しているか?」を調べたハーバード大学らの研究を紹介します。
参加者は大学生で、実験1では写真、実験2ではアートポスターを2枚のうち1枚を学生に選択させて持ち帰らせたうえで、後から選ばなかったほうの1枚に交換できるグループと交換できないグループにランダムで割り振りました。参加者に自分で選んだ作品に対する評価をアンケートで答えてもらって、一部の参加者には予測者として変更可能の有無が作品に対する評価をどう変えるのかを予測してもらっています。
結果は以下のとおりになりました。
- 予測者は変更可能の有無が作品に対する感情に影響を与えないと考えていた。しかし、予測者たちの予想に反して、作品を交換できる機会を与えられた参加者たちは、その機会を与えられなかった参加者たちよりも、作品に対する好意度が低かった。
- 変更できるグループは作品に対する好感度は変わらなかったが、変更ができないグループは作品に対する好感度が上がった。
- 参加者の66.3%が研究の変更不可能なバージョンよりも変更可能なバージョンを好んだことが明らかになりました。さらに、参加者の84.3%は、平均的な学生も変更可能なバージョンを好むだろうと考えていました。この結果は、参加者は作品の満足度が低い条件に割り当てられることを好むことを示している。
人は変更可能性を好みますが、それによって満足度を下げてしまっているんですね。「いつでも変更できる」と思っていると、愛着が湧きにくいですし、大切にしたり、尽くそうとしたりしないですもんね。
不幸せになる思考法と幸せになる思考法
物事の満足度は「物事自体から得られる」だけでなく、「物事への考え方」も影響することを見落としがちです。この両方を考慮しないと、いくら最高のモノでも考え方が最悪だと満足度が大きく下がってしまうということが起こります。
不幸せな思考法は、
- 現状をネガティブに捉える
- 自分が持っていないものをポジティブに捉える
となります。
今あるものには不満を覚え、今ないものを求めるという考え方をしていれば、人生に不満を覚えるのは当然です。他にも、「もし、あの仕事を選んでいれば」という過去の後悔もやめましょう。
幸せになる思考法と実践方法を紹介します。
- 現状をポジティブに捉える:現状を当たり前だと考えずに、ポジティブに意識を向けるためには、感謝が有効です。感謝することで現状をネガティブではなく、ポジティブに捉えることができ、日常を楽しく過ごせます。寝る前に良かったこと、感謝していることを書き出してみましょう。
- 不足について考えない:自分のないものについてあれこれと思い巡らしていると、今に不満を抱くようになります。自分が持っていないものを考えないためには、『デフォルト瞑想』を実践してみてください。意識を向ける対象を自分で選べられるようになりますよ。
羨ましさ、後悔を強く感じる方は、不幸せな思考をしている可能性が高いです。自分が持っていないものの短所に冷静に目を向けてから、瞑想で考えないようにするというステップを踏みましょう。
まとめ:批評家になるのではなく、実践家になろう
幸せになるには、自分の選択を批評するのではなく、今をより良くするために行動することが大切です。すぐに「これでいいのか…」と考えずに、まずは自分が選択したものにコミットしてみてください。
物質的な豊かな現代人の不満のほとんどの原因は、考え方にあります。生活は豊かなのに、他者比較、お金やステータスへの執着などによって、自らを不幸にしています。
ネガティブな考えが頭の中でグルグルしてしまう方は、心の平穏を保つことが大切です。心の平穏の手に入れ方は以下の記事をご参照ください。