「成功するには何が必要なんだろう」「圧倒的な成功を手にする人は何が違うのか」と疑問に思うことはありませんか?
結論から申し上げますと、成功のカギは「幸運」です。その根拠としては2022年にイグノーベル賞を受賞したカターニア大学の論文で、成功は最も才能がある人に与えられるものではなく、少しの才能と幸運を持っている人が手にするという結果になっています。
今回は、
- 莫大な富は才能では予測できない
- 成功には運が大切というイグノーベル賞の研究
- 成功には運が必要な理由
- 幸運を掴む方法
を紹介します。
才能だけをひたすら磨いても、運を意識しないと無駄になりやすいので注意が必要です。本記事を読めば、成功するにあたって運が重要な理由が分かり、幸運を掴む方法を知ることができるようになりますよ。
富は極端に偏り過ぎている
世界における富の格差は激しくなっており、改善される見込みがありません。一部の超富裕層が資産を総どりしています。
世界不平等研究所の調査によると、2021年時点の全世界における資産占有率は、
- 下位50%の人々は2%
- 上位10%の富裕層は76%
- 上位1%の超富裕層は38%
と驚くべき数値になっています。下位50%の人々よりも上位1%の超富裕層のほうが19倍も資産を持っているんですね。
引用:WORLD INEQUALITY REPORT 2022
富の格差はどんどん広がっており、現在は世界の最貧困層の半分と同じ富を8人の人が所有しているというデータもあります。しかも、株式投資などの資本が産む収益率は4~5%で給料の伸び率1~2%よりも高くなっています。地道に働くよりも、多くのお金を投資するほうが儲かるので、お金持ちがますますお金持ちになるという状況になっています。
では、才能も偏っているのか
莫大な富をごく少数の人が持っているように、才能も偏っているのでしょうか。現代は頭の良さ、つまり知能が最重要視されています。
IQの平均値は100で、IQ100に近い人の割合が高く、100から離れるに従って人が減っていくので、IQ70~129の間に約95%の人が収まります。IQは富とは違い、身長と同じで平均的な人よりも数百倍、数千倍も頭の良い人は存在しません。つまり、知能は富のように極端に偏ってなく、全体的に平均的になっています。
それでは、IQ129以上の全体の2.5%にも満たない天才的な人は莫大な富を手に入れているのでしょうか?
スタンフォード大学の調査では、IQ135~200の間の超天才の子ども1528人を35年間追跡し、成功者になるかどうかを調べました。その結果、ノーベル賞やアートでの偉業など大きな成功を手にした人はいませんでした。卓越した知能を持つ超天才でも莫大な富を得ることはできなかったんですね。
ニューサウスウェールズ大学などの研究によると、一般人の12倍も稼ぐ26000人のCEOを調べたところ、IQは平均レベルの人が多かったことが明らかになっています。それどころか、IQは平均を下回るCEOも少なくなかったそうです。
頭の良さが成功を決める決定的な要因とは言えないでしょう。
成功は運の要素が大きい
成功の有無は、運の要素が大きいことが分かっています。カターニア大学による成功と運の関係の論文を紹介します。
研究チームはコンピュータで1000体の人物を作り、才能は各個人に釣鐘曲線(ベルカーブ)で配分されました。最初は全員が平等に資産を持っており、半年ごとに(1)何も起きない、(2)幸運、(3)不運のいずれかのイベントがランダムに発生し、幸運は才能に応じて富が増え、不運は富が半分になるようにデザインされています。
その結果、
- 幸運と資産に明確な正の相関関係が示されたが、富と才能に相関関係はなかった。
- 20人が、全資産の44%を保持していた。これは現実世界のデータとほとんど一致する
- 最富裕層は最も才能があったわけではなく最も運が良かった人で、最貧困層は最も不運な人だった。
ことがわかりました。
研究チームは「成功には運が必要」と結論づけています。
努力だけでは成功が難しい理由
才能は努力で伸ばせます。しかし、努力で伸ばせる量には限界があり、現代は優秀でストイックな競争相手が数えきれないほどいます。
IQや身体能力が平均よりも100倍、1000倍という人はいませんし、学習や労働の時間が100倍、1000倍多いという人もありえません。人間には身体上の限界がありますし、時間的な制約もあります。今は世界中の優れた才能を持つ人と競争しなければならないので、競争相手と比べて極端に優れることはできませんし、自分がどれだけ努力したとしても相手に勝てないということもあるでしょう。
現代の成功者は幸運によるものが多いとされています。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、裕福な家庭出身で、私立の名門校のレイクサイドスクールに入学しました。この学校は1968年にコンピュータ教育をいち早く取り入れることを決め、数百万ドルのコンピューターを生徒が使えるようにしたのです。そのため、ビル・ゲイツはプログラミングに熱中し、高校と大学の若いときからビジネスを始めることができました。もし、ビル・ゲイツが裕福な家庭の生まれでなかったら、レイクサイドスクールがコンピュータ教育を取り入れなかったら、現在のような成功者となっていない可能性が高いでしょう。
スポーツやビジネスの成功者の多くは「自分は単に運が良かっただけ」と述べています。本人の努力はありますが、裕福な家庭、恵まれた環境、予期しない偶然などの幸運が成功を引き起こしたことを認めているんですね。
運で成功を掴む方法
先ほどの紹介したカターニア大学の研究によると、成功の確率を高めるための最良の戦略は「多様性と行動回数を増やすこと」になります。幸運の発生はコントロールできないため、行動回数を増やして幸運を引き当てるんですね。くじも引く回数が多ければ、アタリを引く可能性が上がりますよね。
一番大切なことは「行動すること」です。当たり前ですが、くじを引かなければアタリは出ません。
多様性を持ちつつ、行動量を増やすには、以下を実行してみましょう。
- 好奇心の赴くままに行動して、行動回数を増やす
- 多くの人の目に触れるようにして、チャンスを増やす
- 幅広い経験を積むことで、多様性を持つ
- 成功したい分野に関する能力を磨いて、才能を高める
- 新しいことに挑戦して、変化を加える
- 小さく始めて、失敗リスクを抑える
自分に合った方法でどんどん挑戦してみてください。これらを続けることで幸運を引き寄せる可能性は上がります。
まとめ:成功は運というくじを引き続けることで得られる
成功は運が大きく関わってきています。そのため、努力しても成功できていなかったり、失敗したりしている人は「自分はダメだ」と落ち込む必要はありません。
行動回数を増やして成功確率を上げるには、行動自体を楽しくすることが大切です。毎日、歯を食いしばってストイックに生きるのではなく、楽しんでいたら成功したというのが理想です。
仕事を趣味にできたら、仕事を楽しみつつ行動量を増やせるので幸運を掴みやすくなり、自らのスキルを上げることができます。仕事を趣味にするには以下の記事をお読みください。
頑張りすぎて疲れていると感じている方は、「ゆるく生きる方法」「休息を正しく取る方法」をご覧ください。
成功は運の要素以外にもたくさんの人に良い体験を提供することが大切ですので、より多くの人にアピールする、自分が良いと思うものをみんなが満足する形で提供する、新しいチャレンジを続ける、を意識してみてくださいね。
成功するためのおすすめ本
運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法
・運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法
こちらの本は人生で成功するために幸運を引き寄せる方法を教えてくれます。
運の掴み方は「幸運 = ( 行動 × 多様 + 察知 ) × 回復」でまとめられ、それぞれのスキルを伸ばす方法を知ることができます。
成功したい、良い運を得たいと思っている方におすすめの本です。
シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
・シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
この本は富の築き方や幸福になる方法を教えてくれます。
人生をより良く生きるためにどのような考え方や行動を取ればいいのかを本質的な観点から知ることができます。
人生で成功するために何を読むか迷ったら、まずはこの本から読んでみてください。
成功するためのおすすめ体験
すぐ行動する
幸運を掴むためにたくさん行動しましょう。
発明王のエジソンは白熱電球を発明するまでに2万回の実験をしたと言われています。名画「ゲルニカ」で有名な画家であるピカソは計14万7,800点の作品を作っており、「クリスマス・キャロル」を書いた作家のディケンズは300を超える小説を書いています。
行動量を増やす⇨学習のループで自らの能力を向上させつつ、幸運を引き寄せるくじを引き続けることができます。
読書
読書は、知識・行動力を増やす効果があります。
マイクロソフトの創業者のビルゲイツ、世界三大投資家のウォーレン・バフェットなどの世界的な成功者は読書の重要性を説いています。
読書はどこでもできますし、生涯の趣味としてとてもおすすめです。
読書習慣を身に付けたい方は下記の記事をご覧ください。