特別な才能が欲しいと思ったことはありませんか。
誰でも自分だけの才能が欲しいと思うものです。しかし、自分には生まれつきの才能がないと悩む方も多くいます。
そこで今回は、
- 才能とは何か
- 才能は生まれで決まるのか
- 才能を手に入れる4つの方法
を紹介します。
欲しい才能を手に入れる方法で自分の隠れたポテンシャルを発揮できます。よくある才能や天才に関する間違い、才能を見つけたり伸ばしたりする方法を知ることもできますよ。
才能とは何か
才能の定義を「デジタル大辞泉」「広辞苑」の2つで確認してみましょう。
物事を巧みになしうる生まれつきの能力。才知の働き。「音楽の—に恵まれる」「—を伸ばす」「豊かな—がある」「—教育」
出典:デジタル大辞泉
才知と能力。ある個人の一定の素質、または訓練によって得られた能力。
出典:広辞苑
才能の定義については、個人的には広辞苑のほうが正しいと思っています。デジタル大辞泉の定義だと、生まれつきの決まった能力だけで個人の努力などは考慮されていないように感じます。
現在の脳科学では、脳は現在の状況や行動に応じて、自らの脳や神経ネットワークをリアルタイムで常に変化させているという「脳の可塑性」があることが分かっています。そのため、人は生まれた後でも変化に対して柔軟に対応したり、新しいスキルや能力を後天的に身に付けたりできるんですね。
脳の驚くべき能力について知りたい方は、『脳は絶えず変化し続ける!「ライブワイヤード」の力を最大限に引き出す方法』をお読みください。
才能は生まれつき?
「自分には生まれつき才能がない」と嘆いたことは誰にでもあると思います。努力していなさそうなのに足が速い、勉強ができる、上達スピードが速い人はいますよね。
生まれつきの才能である遺伝は、「環境」「周囲との比較」で決まることが分かっています。環境は栄養状態、健康、教育、普段の行動などの様々な要因があります。周囲との比較はどのような相手(富裕層、貧困層など)と比べるかによって、遺伝率は不変だとよく勘違いされていますが変化します。
「あの人は勉強の飲み込みが早い」と感じる原因は、相手が見えないところで勉強しているせいかもしれませんし、自分が寝不足だったり栄養状態が悪かったりして脳の働きが悪いせいかもしれません。遺伝が原因なのかを調べるには、自分と全く同じ環境で育った人と比べる必要があるということです。これは現実的にはできませんし、現状を改善できるわけではないので気にするだけ無駄です。
他人と比較せずに、正しい練習をすれば確実にスキルは上がっていくので、体調のコンディションを整えて、練習に集中しましょう。
才能が欲しいなら「努力を継続する」
才能は訓練の質と量によってもたらされます。つまり、努力を継続することで欲しい才能を手に入れることができるんですね。
卓越するスキルを身につけるには、「練習の質・量」の2つの要素が大切です。音楽やスポーツ、チェスや将棋などのマインドスポーツなどのトップパフォーマーなどは練習の量と質の両方が高いことで知られています。
多くの練習で知識・スキルを無意識でも使えるように自分の中に内面化させて、さらに深い知識やスキルの練習をこなして、より深い知識を内面化するということを繰り返すことで、パフォーマンスは上達していきます。地道に思えますが、正しい学習ループのサイクルを回し続けることで結果的に「才能がある」と言われるようなスキルが身につきます。
才能は生まれつきものではありません。多くの人は目立つ結果だけを見て、「天才」と見なしているんですね。トップパフォーマーは専門分野に人生を捧げている人も少なくありませんし、膨大な練習量を積んでいます。
才能を手に入れる4つの方法
それぞれの悩み別におすすめの方法を紹介します。
- 欲しい才能を見つけたい方:新しい挑戦
- 才能を伸ばしたい方:意図的な練習
- 三日坊主になる方:習慣化
- 行動できない方:行動思考
それでは、それぞれ見ていきましょう。
1、新しい挑戦
興味や好きなことなどの様々なものに挑戦してみましょう。新しい挑戦は自分の欲しい才能が見つかったり、好みの幅を広げたり、成長につなげたりすることができます。
新しい挑戦は才能やスキル向上に役立つだけでなく、燃え尽き症候群になりづらくなることもジョンズ・ホプキンズ大学の研究で明らかになっています。他にもストレス解消や幸福度向上にも効果があります。
気になっているスポーツの体験に行ってみる、学びたい分野の本を買ってみる、などの非常に些細なことでもかまいません。様々なことを試してみて、自分に合う・合わないを見極めましょう。
未知の体験は自分を知ることにもつながり、欲しい才能を見つけやすくなります。新しいことで自分の隠れた才能が活躍することもあります。
2、意図的な練習
意図的な練習は天才やトッププロと呼ばれるハイパフォーマーが行っており、特定のスキルを効果的に向上させることを目的とした意識的な訓練です。
チェスのプロを対象とした研究では、意図的な練習に費やした時間がチェスのレートに約40%もの影響を与えていたことが分かっています。『超一流になるのは才能か努力か?』で有名なアンダース・エリクソン先生は生まれつきの天才はおらず、天才と呼ばれる人は意図的な練習を膨大に繰り返していると述べています。
マラソンで意図的な練習をする場合、間違ったフォームを直すために正しいフォームとなるように微調整を加えながら走り、フォームを映像で何度も確認するといったプロセスを踏む必要があります。それに比べて、よくありがちな練習ではただ走ることを繰り返すことでタイムを早くしようとします。よくありがちな練習だとより効率的なフォームが身に付きませんよね。
練習する際には、伸ばしたいスキルを意識的に練習しましょう。
3、習慣化
自分が望む行動を習慣化することで、自然と継続できるようになります。人間の行動の40%は習慣で形成されていると言われており、生活の大部分を占めます。
習慣化するための大事なポイントを挙げておきます。
- 小さな行動にする:「腕立て伏せを毎日50回する」よりも「水を起床後に飲む」といった簡単な行動のほうが習慣化しやすいことが分かっています。難しい行動は「腕立て伏せを毎日1回する」のように簡単な目標にしましょう。
- 頻度を増やす:行動の頻度を増やすほど習慣になりやすいです。週に2回行うよりも週に4回行うほうがいいということですね。才能にしたい行動なら少しでもいいので毎日続けてみてください。
- タイミングや時間を固定する:タイミングや時間を固定することも有効です。朝9時から英語学習、夕食後に資格勉強をするといった具合に事前に行動プランを立てておきましょう。
意図的な練習と習慣化を組み合わせるとスキルを飛躍的に高めることができます。習慣は小さな行動から始めるのがおすすめです。
4、行動思考
行動することを中心に物事を考えましょう。自分以外に影響を及ぼすには行動しかありません。
好きなことで生きていきたいなら、他者の役に立つことをして、お金を稼ぐ必要があります。どんなに良いアイデアがあっても、行動しなければ成功することはありません。「アイスホッケーの神様」と呼ばれたウェイン・グレツキー選手が言っていたように『撃たないショットは必ず100%外れる。』ということです。
インプットや思考は、あくまでアウトプットのための準備と考えてください。まずはこうしたいというアウトプットがあってからインプットすると無駄がありませんし、すぐに行動に移すことができます。
行動思考に慣れたら、試行回数を増やすことが大事です。意図的な練習に加えて、試行回数を増やせば、才能はどんどん伸びていきます。
試行回数を増やすには、「PDRサイクル」をやってみましょう。PDRサイクルは準備⇨行動⇨評価の3段階で行動重視のアプローチのことで、詳しい手法は以下の記事で紹介しています。
まとめ:人生で配られたカードは強くできる
配られたカードで勝負するっきゃないのさ… それがどういう意味であれ
スヌーピー「ピーナッツ」
人生は配られたカードで勝負するしかありません。ただし、配られたカードが強いのか弱いのかはトランプの世界のように簡単に決まるわけではありません。
ゲーム次第では強いカードだったりしますし、鍛えることで強いカードにしたりもできます。自分の意志、訓練、工夫で才能を手に入れられます。長期的に続ける必要があるので、穏やかなペースで目標に取り組む「スロー・プロダクティビティ」がおすすめですよ。
成功するためには、才能に加えて運も重要です。幸運を手に入れる方法は以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。