知識を検索

Life

無音がもたらす静寂で落ち着いた生活を!大切な理由と実践法

「心が休まらない」
「何事もうるさいと感じる」

このような悩みを抱えていませんか。音声や情報の刺激、ネガティブな思考や感情などの騒音に悩まされている人は少なくありません。これらの問題を解決する方法があります。

それは「無音」です。無音はデジタルコンテンツによる刺激疲れを防ぎ、心身を癒してくれます。

今回は、

  • 無音による静寂がなぜ大切なのか
  • 無音で落ち着く理由
  • 無音の効果と実践法

を紹介します。

人は「何かをすること」の価値に過大評価する一方で、「何かをしないこと」への価値を過小評価しがちです。現代人が感じている慢性疲労は「すること」が行き過ぎた結果、「しないこと」がほとんどなくなってしまったことが原因です。

無音がもたらす静寂を日常に取り入れることで、心の平穏を手に入れて、毎日を生き生きと過ごすことができますよ。

なぜ無音がもたらす静寂が大切なのか

人や車の音、ネットコンテンツによる大量の情報、脳内のネガティブな声などの騒音に囲まれていて、心を落ち着ける静寂がありません。技術の進歩により、YouTube、SNSや映像作品など人が自ら求めてしまうようなタイプの騒音もあります。

騒音の問題は自ら自覚していなくても、疲労度の増大、健康の悪化、学習効率の低下、ネガティブな気分になるなど、いつのまにか悪影響を受けていることです。「何だか疲れやすい」「集中できない」「イライラする」といった問題は騒音が引き起こしている可能性があります。

騒音は以下の3つのタイプがあります。どのタイプの騒音に共通しているのは、情報を受け取る際に脳内で情報処理しなければならず、脳のリソースや注意力を奪うことです。

  • 聴覚騒音:耳に聞こえる音量のことで、音の大きさに関する騒音のこと。「上の階の足音がうるさい」「夜中に大音量が聞こえる」などといった一般的な騒音問題は聴覚騒音に当てはまります。騒音がストレス反応を引き起こし、心血管系疾患、肥満や糖尿病のリスクを上げることが2017年の研究で明らかになっています。
  • 情報騒音:近年のテクノロジーの進歩により問題となっており、情報量に関する騒音のこと。ニュース、YouTubeやNetflixの動画コンテンツ、InstagramやX(旧Twitter)のSNSなどで、人が処理できる量を超えた膨大な情報を受け取っており、増加し続けています。休憩中のスマホ利用による情報処理は、脳に負荷をかけてしまい、疲労度が増加することがラドバウド大学などの研究で分かっています。
  • 内部騒音:自分の意識の内側から生じるネガティブな思考や感情に関する自分の頭の中の騒音のこと。過去の後悔、未来への不安といった思考も含まれます。これらの脳内の否定的な声が止まらない人は悲しみや気分の落ち込みを強めて、ネガティブを増幅させることがエクセター大学の研究で判明しています。

無音はこれらの騒音を防いで、リラックスを促し、エネルギーの節約や補給をしてくれます。

無音は落ち着く

無音がもたらす静寂はリラックス法として大きな効果が認められており、数多くの研究で実証されています。

パヴィア大学の研究によると、音楽を聴いた後に2分間の静寂を保つと、参加者の心拍数と血圧が低下することが分かりました。ゆっくりとリラックスできる音楽と比較しても、静寂は心臓の健康を測るこれらの重要な指標をより大きく低下させる結果となっています。無音はリラックス音楽よりもリラクゼーション効果が高いのです。

トゥルク大学の研究では、参加者を①無音②話し声③雑音の3つグループに振り分けて、集中力を必要とする作業をしてもらいました。その結果、無音の中で作業した人は、認知的負荷が最も少なく、ストレスレベルも最も低かったそうです。

無音はリラックス効果が高く、脳の負担が少ないので、作業や休憩にも無音が良いということですね。

無音がもたらす静寂の3つの効果

無音には、他にも様々な効果があります。それぞれ見ていきましょう。

  • 休息になる:音楽や動画で音を処理するのも脳に負担がかかる。無音では脳を効果的に休ませることができる。
  • 集中力アップ:作業中に音に気を取られることがないので、集中力が上がる。仕事や勉強時にできるだけ音楽を聞かないようにすると良い。
  • 決断疲れを防げる:音をいつも必要とすると、そのときの好みや状況に合った音楽や動画、テレビ番組を選ばなければならない。些細なことを決断するだけでも人間の脳は疲れることが分かっている。無音なら選ぶ必要はなく、労力や時間を節約できる。

イヤホンなどで音楽を大きな音量で聞いている人は、聴覚疲労、全身の倦怠感、難聴になる可能性が高くなります。無音はそういったリスクを避けることもできます。

無音をデフォルトにしよう

音を聞かない生活とは、音が何もない状態を目指すのではなく、自然な音で暮らす生活です。

自宅で音楽やテレビを消すと、エアコン、風、雨や車などの外の音、自分や周囲の人の生活音などが聞こえてきます。無響室のように音を吸音する特殊なパッドを張り巡らしても、自分が存在する限り、自らの神経系や血液、心臓が音が立てており、完全な無音はありえません。

自然な音は収録された楽曲とは違い、絶えず変化して、私たちを飽きさせません。音楽を移動中にいつも聞いている人は、周囲の音を楽しめることに気が付くかもしれません。普段は無音で過ごし、時間を決めて音楽を聞くと何倍も楽しめるようになりますよ。

日常では音をかけない状態をデフォルトにしてみましょう。疲労感が減少して、リラックスできますよ。

3つの騒音タイプ別における無音の実践法

無音を実践するために、聴覚騒音、情報騒音、内部騒音の3つの騒音タイプ別に無音の実践法を紹介していきます。自分はどの騒音に悩んでいるかを考えて、当てはまる対策法を実践していきましょう。

  • 聴覚騒音:耳に聞こえるノイズを減らす対策が有効です。音楽や動画を聞かない、ノイズキャンセリング機能付きイヤホンやヘッドホンの利用、静かな時間や場所を選ぶといった方法が有効です。
  • 情報騒音:日常的に触れる情報を減らします。オーディオブック、動画の視聴をやめる、スマホでSNSやニュースを見ない、デジタルに触れる時間を減らすといいでしょう。
  • 内部騒音:自分の脳内の声を鎮めます。「今、この瞬間に意識を向ける」というマインドフルネス瞑想、自分の思考や感情を書き出すエクスプレッシブライティングを実践してみましょう。

疲労を感じやすい人は聴覚騒音、情報騒音の対策に取り組み、ネガティブな思考や感情に悩んでいる人は内部騒音の対策から始めるといいですよ。

音楽がほしいときのおすすめBGM

作業や休憩に音楽がないと良いのは分かったけど、それでも音楽が欲しいという方はいると思います。そんな方におすすめの音楽を紹介します。

それは「自然音」です。自然音は1/fゆらぎと呼ばれる人にリラックス効果をもたらす音があり、集中力を上げたり、ストレスや気分のいら立ちを軽減したりすることが確認されています。

自分で好きな音楽を選びたいという方は、

  • 音の強弱があまりない
  • 歌詞がない

といった曲を選ぶといいですよ。

個人的に自然音として愛用しているのが「自然音+JAZZ」です。YouTubeチャンネルの『JAZZ ALL STARS - by ONION ALL STARS』では、鳥のさえずり、川のせせらぎなどの自然音とジャズピアノの組み合わせで楽しめますし、スーっと落ち着きます。

まとめ:無音のもたらす静寂が最高の癒し

現代人はいつでも仕事ができる環境ですし、人を惹きつけてやまない音楽や動画などの魅力的なコンテンツに囲まれているため、休息する暇がありません。たまに行く旅行やスパなどで一時的に疲れを取ることができますが、日常的にストレスをたくさん溜め込んでいてはあまり効果がありません。

イライラが爆発したり、燃え尽きたりしないように普段からストレス要因を取り除くことが大切です。SNSやニュースなどの超刺激、物、やることを減らすには、以下の記事で紹介していますので、見てみてくださいね。

私は無音を意識して取り入れることで、日常的に感じていたストレスや疲労感が減りました。生産性向上のために、音がないときは本の解説やオーディオブックを常に聞いていたんですよね。音をなくすだけでも疲れ具合が全然違うので、お悩みの方は試してみてはいかがでしょう。

無音がもたらす静寂を手に入れるためのおすすめ本

静寂の技法: 最良の人生を導く「静けさ」の力

静寂の技法: 最良の人生を導く「静けさ」の力
この本を読めば、聴覚騒音、情報騒音、内部騒音という3つの騒音に対処する方法を学ぶことができます。
現代社会の作り出す数々の魅力的な騒音を避け、静寂の効果や堪能する方法を知れます。
疲れが取れない、ゆっくりできないと思っている方におすすめです。

Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法
こちらの本は脳内のネガティブな声であるチャッターと距離を取る方法を教えてくれます。
心の声の仕組みと対処法の様々なテクニックを知ることができます。
ネガティブな思考や感情にお悩みの方におすすめな本ですよ。

無音のおすすめ体験

WF-1000XM5

WF-1000XM5
ソニーのノイズキャンセリングイヤホンです。
ノイズキャンセリングをonにするだけで周りの音が軽減されるので、音楽や映像を楽しむだけでなく、デジタル耳栓として活用できます。
ノイズキャンセリングがあってもすべての音がなくなるわけではないのですが、周囲の雑音が明らかに減ります。
静かな環境を手に入れたい方におすすめですよ。

環境音+JAZZ やさしい森の喫茶店 鳥のさえずり 川のせせらぎ 自然の環境音 森の中 CAFE JAZZ - 作業用BGM

鳥のさえずり、川のせせらぎ、ジャズピアノでリラックスできます。
YouTubeチャンネルの『JAZZ ALL STARS - by ONION ALL STARS』では他にも様々な環境音とジャズの組み合わせがあるため、気分に合わせて好きなBGMを楽しむといいでしょう。
リラックスしたい、作業BGMを探しているという方はぜひ聞いてみてください。

-Life