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自然への畏敬の念が人生を変える──人生と幸福の本質に導く

2024年1月8日

悩みがつきない、人生に意義が感じられない、と思っている方は少なくありません。毎日頑張っている中で大切なことが分からなくなったり、孤独を感じたりすることはありますよね。

これらの悩みには「畏敬の念」が有効です。畏敬の念は人生の意味、つながりの感覚、他人に優しくなるなど人生と幸せの本質を得られるようにしてくれます。

今回の記事内容は、

  • 畏敬の念とは
  • 畏敬の念を感じるための要素
  • 畏敬の念が人生に与える効果
  • 畏敬の念のおすすめの対象──「自然」
  • 畏敬の念を感じやすくなる3つの方法

となっています。

畏敬の念によって、自分だけに注目するのではなく自己を超えた視点で、人生の悩みを解決したり、人生の意義を見出したりすることができます。人生や幸せの本質を見つけたい方にもおすすめの内容となっていますよ。

畏敬の念とは

まずは畏敬という言葉の意味を確認しましょう。

崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうこと。「—の念を抱く」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

畏敬の念は英語で「AWE」と言い、大自然や偉大な人物などの驚くべき存在や能力に対して使われる言葉です。AWEは英語の会話でよく使われる「AWESOME(すごい、素晴らしい)」の語源となっています。

畏敬の念とは自分の認識を超えた存在を恐れつつも敬うこと、という意味になります。

畏敬の念を感じる要素

畏敬の念の構成要素は、「自己の基準枠を超越するような広大さ」を感じられることです。自分が思っているよりも大きなものに畏敬の念を抱くということですね。

畏敬の対象は自分の期待を超えている存在ですので、様々なものがあります。自然、アート、美しさ、建築物、スキル、富、名声、科学知識などです。

畏敬の念で呼び起こされる感情は、地震などの自然災害への「恐怖」、自然やアートへの「美しさ」、プロスポーツ選手や天才的な頭脳を持つ人への「能力」などがあり、常にポジティブとは限りません。畏敬は恐れ敬うことなので、複雑な感情であることが読み取れますね。

畏敬の念は自己注目を減らし、つながりの感覚をもたらす

畏敬の大きな効果は自己注目が減り、全てはつながっているというワンネスの感覚を得られることです。

自己注目とは自分に注意が向くことで、「私は他人からどう見られているか」「私は幸せなんだろうか」と自己注目しがちな人ほどメンタルを壊しやすいことが分かっています。人はネガティブな思考に向きやすいという特徴があるので、自分のマイナス面ばかり見てしまうんですね。

Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeなどのSNSで他人のキラキラした投稿と自分を比較して落ち込んだり、お金持ちや有名になれない自分は失敗していると感じたりする原因は自己注目です。畏敬の念によって自己を超越する感覚が生まれるため、自己に注目しなくなり、自分の悩み・問題を些細なものと感じられるようになるんですね。

ワンネスの感覚があると、他者とのつながりを感じて思いやりのある行動を取れるようになります。自尊心や自己評価を低下させる他者比較が減るのもナイスなポイントです。

畏敬の念の効果

畏敬の念について、ワンネスとその他のメリットを紹介していきます。

  • ワンネスになる:お金や物質主義、個人的な悩みなどの世俗的な関心を超越する精神性を生み出すため、人類や地球などの広大なものとつながっている感覚を得られる。畏敬の念は自己注目、ストレス、不安を減らして、感謝、思いやり、謙虚さ、寛大さを増やすことがヨーク大学らの研究で明らかになっている。
  • 幸福の本質を得られる:表面的な幸せではなく、本質的な幸せが手に入る。スタンフォード大学の研究によると、今この瞬間に集中しやすくなる、セルフコントロール力の向上、物質主義的ではなくなる、他の人を積極的に助ける、時間への焦りが減る、物よりも経験を重視するといった幸福度を高める効果が確認されている。
  • 人生を満足させる:人生の意義を見出しやすくなり、充実させる。人生の意味、つながりの感覚が得られ、幸福感や人生の満足度を向上させることがウォーリック大学の研究で分かっている。

畏敬の念は自己を超越するという貴重な体験なので、人生に大きな影響を及ぼします。畏敬の念は強烈な体験を味わうことも多いので、何十年前でも明確に覚えているという報告も少なくありません。

幸せを感じられない、不満を抱きやすい、孤独だと感じている方は畏敬の念を呼び起こしやすい環境に身を置いてみるといいでしょう。

畏敬の念のおすすめの対象──「自然」

畏敬の念は「広大さを感じるもの」に生じるので、物理的に大きなものだけに限りません。広大さの基準は個人的な主観で、あらゆるものが畏敬の念を抱く対象となります。

あらゆるものから畏敬の念を感じられますが、何を対象としたらいいのかが分からない方もいると思います。そこで畏敬のおすすめの対象を紹介します。

それは「自然」です。自然への畏敬の念は特に多くの効果があることが分かっています。自然とふれあうだけでもストレス減少効果、免疫力向上、創造性向上、認知機能向上などの数多くのメリットがありますので、まず一番に試してみるといいでしょう。

自然を含めて、その他の畏敬のおすすめの対象、手段をまとめて見ていきましょう。

  • 自然:山、森、海、川などの自然の中で過ごす。実際に行ったほうがいいが、動画などのメディアでも効果はある。
  • 物語:本、アニメ、映画、ドラマ、人との会話などで物語に没入する。物語性のあるものなら何でもいい。
  • 好きなこと:アート、音楽、知識、学問、スポーツ、大きな建物の人工物などの自分の好きなことをする。好きな分野で卓越したスキルや魅力的な作品に触れて、壮大さを感じる。

畏敬を感じるのに大切なことは、広大さ、(自分にとっての)新規性を探すことです。

畏敬の念を感じやすくなる3つの方法

いくら自然の中で過ごしていても、悩み、不安などの自分に関することばかりを考えていて、上の空になっていたら畏敬を感じられませんよね。畏敬の念を感じやすくなる方法を紹介します。

  • マインドフルネス瞑想:瞑想で自分の意識をコントロールする力を鍛えられるので、ネガティブな感情や思考が減り、自分が望む活動に注意しやすくなる。呼吸に集中する呼吸瞑想がおすすめ。
  • 自然浴:海や森の自然は超自然的な力、物理的な大きさ、壮大な時間の流れなどの広大さを感じられる要素を多く持っているので、畏敬の念を体感しやすい。自然の中で過ごすと現在に集中しやすくなるというマインドフルネスの傾向が高くなる。
  • 新しいことへの挑戦:畏敬の念を感じるには自分にとって新しいと感じられることも重要なポイント。新しい体験を求めることで、広大さ、新規性につながるスポットやアクティビティを見つけやすくなる。

マインドフルネス瞑想のやり方については「瞑想ってどうやったらいいの?集中瞑想、観察瞑想の2種類をやっておけばOK」、新しい挑戦の方法やメリットについては「新しい挑戦をすることのメリット!おすすめの方法、挑戦を解説」をご覧ください。

まとめ:畏敬の念は自分に向きがちな意識を、外側に広げてくれる

個人の成功や見た目など自分に意識が向きやすい世の中だからこそ、意識を外側に向けて、つながりの感覚を得ることが重要になっています。畏敬の念は現代では忘れかけている大切な価値観を認識させてくれます。

デジタルに触れる時間を減らして、自然と触れるなどの畏敬の念を感じる時間を増やしましょう。日々が充実し、人生で重要なことを見つける良い機会になりますよ。

私は海をぼーっと眺めて、自然の壮大さを感じています。心が癒されますし、不安や悩みがちっぽけなことに感じられます。海を眺めることについては、以下の記事で詳しく説明しています。

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