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金融教育で個人の貯蓄が49%もアップする!家計の把握、節約、貯蓄の意義がポイント

2024年9月15日

お金の重要性は多くの人に認識されていますが、金融教育の効果は明確に分かっていません。お金について学べば、「お金の使い方が上手くなるのか?」という疑問があるわけです。

そこで今回は、「金融教育に貯蓄行動に良い影響を及ぼすのか?」を調べたトリノ大学らの研究を紹介します。

研究の対象者はインドの低所得者(平均月収が25ドル以下、平均貯蓄額が51ドル)3,000人で2日間の金融教育のトレーニングを実施するグループとトレーニングなしのグループにランダムに振り当てられました。金融教育は2日間で、教室内でディスカッション、物語、ビデオやリーフレットなどの方法で実施されました。

金融教育の内容は次のとおり。

  • 家計の計画と予算:一般的なライフサイクルの目標 (短期、中期、長期の目標を含む)を示し、これらの目標を達成するためには家計の計画が必要である。貯蓄するために、予算を立てて、余分な支出を特定して最小限に抑えること。
  • 貯蓄の重要性:将来の予期せぬ事態などで貧困に陥らないように貯蓄が重要。定期的な貯蓄、保険は入らないこと、早期の貯蓄、複利の投資が有効である。
  • 賢い借入の仕方:不必要な借金が債務の蓄積につながり、大きな借金につながる。高金利、不透明な契約条件などで借り入れはせずに、正しい貸し手を選ぶ。また、借金する前に、自分の収入、金利、利息の種類などを考慮すること。

収支の管理、節約、貯蓄、投資、借り入れなど、定番の金融教育といった感じですね。これらを適切に実践できれば、資産は増えていきそうです。

研究の結果は下記のようになりました。

  • 金融教育を受けたグループは、金融教育を受けてないグループよりも、総貯蓄額が1年間で 49% (39 ドル) 増加した。特にタバコ、アルコールなどの嗜好品への消費金額が減少していた。
  • 金融教育を受けたグループは95% がトレーニング後に貯蓄が増えたと回答しましたが、金融教育を受けてないグループは、同じ期間に貯蓄が増加したと回答したのは 20% のみだった。
  • 貯蓄の方法と貯蓄の価値、特に少額の貯蓄を積み上げることの重要性を理解したおかげで、さらに貯蓄できるようになったと報告があった。

貯蓄が1年間で39ドル増加というと少ない金額に思えますが、平均月収が25ドル以下であることを考えると大きな金額です。この結果を踏まえると、金融教育に関する本を読むなどでも効果がありそうですね。

お金を学べる本は以下がおすすめです。

個人的には無駄な支出をとことん削るのが貯蓄では大事だと思っています。収入がたくさんある人でも、お金を湯水のように使っていたら貧乏になった例はいくらでもありますからね。逆に、収入が少ない人でも節約すれば、莫大な資産を築くことができます。実際に、ガソリンスタンドの店員と清掃員をしていたロナルド・リードは800万ドルもの資産を築いたことで有名です。

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