以前に英文を読む手法として、英文解釈を紹介しました。
英文解釈で基礎を身に付けた後は、英語の多読がおすすめです。
英文解釈でリーディングの基礎を築いて、多読で実践・応用していくイメージですね。
そんな多読の効果を調べた「英語の多読が読解力と読解スピードを向上させる!」という研究を紹介します。
多読とは、 「量を重視して、英語の本を気軽に読むこと」と定義されます。
英語では「Extensive Reading(ER)」といいます。
今回は、日本の高校生を対象にした研究です。
研究者は日本の高校教育における英語の読書量の不足を危惧していまして、多読を使って読解力や読書スピードが上がるのかを調べてくれています。
確かに日本の英語教育の傾向としては、長文をたくさん読むというよりは、短文を使って文法などを集中的に学んでいましたね。
悲しいことに、学生時代のとき、文法はあまり理解できていませんでしたが…
参加者は、北海道札幌市にある日本の公立高校の1年生(15〜16歳)226名です。
多読群に113名、対照群に113名の生徒が参加しました。
多読群では約5ヶ月間、授業の最初の5分から10分の間に教師が作成した読書教材を使って読書活動を行いました。
対照群と比較して、読解力と読解速度を介入前後にテスト形式で測定しました。
多読群には、読書教材に加えて、グレイディッドリーダー(Graded Reader)を読むことを勧めました。
読書教材は、生徒が興味を持っていると思われるものを選び、読みやすいようにアレンジされた教材となっています
グレイディッドリーダーは、文法構造が優しく、語彙が制限されている本で、英語学習者に読みやすいものとなっています。
また、面白い話も多く、英語の習熟度に合わせてレベル別に分かれています。
研究結果としては、
- 多読グループは、対照グループに比べて、読解力とスピードの面で有意に高いスコアを獲得した
- 生徒は多読は効果的で楽しいものであると考えていた
- グレイディッドリーダーを読んだ生徒を除くと、読書速度は有意に向上したが、読解力は有意な差にならなかった
- つまり、教師作成読書教材は読書速度を上げ、グレーデッド・リーダーは読解力、読書速度を向上させた
読書教材よりも グレイディッドリーダーの方が効果が高かったみたいですね。
グレイディッドリーダーは市販されているので、導入しやすく、英語多読におすすめですね。
研究者いわく、
この結果は、日本の高校、さらにはインプットの少ないEFL環境にいる英語教師は、教室の内外で生徒の言語レベルに合わせて読書のインプットを増やすべきであることを示唆している
確かに高校で洋書はあまり読んでこなかったですね。
中学生ぐらいの頃から英語の本を読んでおけばよかったと少し後悔しています(笑)
英語多読をしてみてくださいね。
読解力、読書速度を向上させ、英語学習が楽しくなりますよ。
英語多読のおすすめ本
・英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!
こちらの本は英語多読法を教えてくれます。
多読の効果、実践法、本の選び方について、詳しく書いてありますので、英語多読法に興味がある、始めてみたいと思う方におすすめです。
この本を読むことで、楽しみながら英語力を身につけることができますよ。