知識を検索

Life

果物の適正量を摂取すれば、糖尿病リスクが減少する

2022年2月1日

糖尿病の基本的な治療は低カロリー食、有酸素運動と筋トレを合わせた運動となっています。

肥満になると糖尿病の発症リスクが上がるので、低カロリーにすることで体重が減り、糖尿病指標のヘモグロビンA1cが改善することが研究で分かっています。

運動をすると体重が減るという研究はたくさんあります。
運動によって筋肉が増加するので、筋肉による糖の取り込み能力が増えて糖尿病を改善させるという研究もあります。
運動は体重減少に加えて、筋肉でグルコースを取り込める量が増えるので、一石二鳥ですね。

糖尿病には低カロリーの食事や運動のような原理が明確なものもあれば、なぜ糖尿病改善になるのかが分かりにくいものがあります。

それは、果物の摂取と2型糖尿病の関係です。

簡単に言うと、糖尿病はインスリンが働かないために血液中に糖が増えてしまう症状です。
インスリンは、食事で体内に糖が入ることによって上がった血糖値を下げる働きがあるホルモンです。

果物は炭水化物の割合が多く、果物を食べると体内に多くの糖を取り入れることになります。
しかし、果物を摂取すると糖尿病リスクを下げるという研究が多く見つかっています。
実際、糖尿病の治療で白米やフルーツを制限した低炭水化物の食事が使われることも多いので、フルーツの糖尿病への効果は謎のままです。

今回は、「結局、果物は糖尿病に効くの?」を調べたコホート研究を紹介します。

2021年の研究で25歳以上の男女7675人を対象にしています。
対象者の果物、フルーツジュースの摂取量と糖尿病指標との関連を調べています。
果物などの摂取量は対象者に調査票で回答してもらい、5年後と12年後にフォローアップで調査をしています。

その結果は、

  • 果物の総摂取量は、ベースライン時の血清インスリンおよびインスリン分泌量と逆相関し、インスリン感受性と正の相関があった。つまり、糖尿病指標に対して、改善があった。
  • 最も果物の摂取量の少ない参加者(1日62g)と比較して、果物の総摂取量が中程度の参加者(1日230g)は、5年後に糖尿病を発症する確率が36%低かった。
  • 果物全体では、りんご、オレンジなどの柑橘類、バナナの摂取量が中程度から多いほど糖尿病リスクが低いことを示していたが、統計的に有意ではなかった
  • 12年後の結果との関連は、統計的に有意ではなかった。

果物の適切な量を摂取している人は糖尿病リスクが低いみたいですね。
ただし、12年後はあまり変わらないので、過信は良くないですね。

研究チームもこのように言っています。

果汁ではなく、全果実を含む健康的な食事は、2型糖尿病リスクを軽減する役割を果たすかもしれない。

研究では1日の果物の摂取量が200~400gくらいだと糖尿病の全体的な指標が良かったですね。
過去の研究も含めると、りんご、ブルーベリー、柑橘類などから選ぶと良さそうです。

今回の研究を踏まえると、糖尿病の治療の第一選択肢としては、カロリー制限、運動になりそうです。
あくまで糖尿病を気にされる方で甘いものを食べたい方は上記のフルーツから選ぶと良さそうですね。

糖尿病ではない方は1日に200~400gくらいを目安に果物を摂取していただければと思います。
果物はビタミン、食物繊維、ポリフェノールなどが含まれているので、積極的に食べてくださいね。

糖尿病対策のおすすめ本

トロント最高の医師が教える世界最有効の糖尿病対策
医学博士の著者は糖尿病・減量の治療として、ファスティングを取り入れた第一人者です。
その著者が、2型糖尿病の仕組み、治療法を詳しく紹介した本となっています。
著者は実際に糖尿病の治療をしている人なので、実践的なアドバイスが多いです。
糖尿病の人、糖尿病数値が気になる方におすすめの本ですよ。

-Life