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デジタル断食で疲労を解消する!効果的な実践方法を解説

2022年8月6日

「スマホを1日中見ている」
「暇な時はほとんどスマホを使っている」

これらに当てはまる方は「スマホ依存症」の可能性があります。
スマホのゲーム、SNSなどのアプリは課金、広告から収入を得ています。そのため、企業は、人間がアプリにハマるように改良し続けています。ギャンブル、パチンコなどは時間や場所などの制約がありますが、スマホアプリはスマホ一つあればいつでもどこでもアクセスできます。

スマホを1日中いじってしまうという方で、「疲れが取れない」「憂鬱な気分になる」と日頃から感じている場合、無意識にスマホ依存症になっている可能性が高いです。スマホだけでなく、テレビやパソコン等のデジタル機器の使用時間はスクリーンタイムと言います。スクリーンタイムが長い人は慢性的な疲労を感じたり、気分が落ち込んだりすることが分かっています。

スクリーンタイムを減らすには、「デジタル断食」が有効です。
デジタル断食はデジタル機器をさわらない時間を意識的に作ることで、スマホなどのデジタル機器の使用時間を減らすことができます。

本記事では、「デジタル断食で疲労を解消する方法」を解説します。

スマホなどのデジタル機器の使用に疲れてしまったという方は、見ていってくださいね。

デジタル断食とは?

デジタル断食とは、デジタル機器を使用しない時間を作ることです。
休息時間中にスマホをイジると、脳が休みなく情報を処理し続けることになります。その結果として、脳が休まずに働くことでどんどん疲弊していき、身体の調子が悪くなります。

デジタル断食をすることで脳を本当の意味で休息させられます。スマホで浪費していた時間を有意義な活動に充てることができます。

長時間のスクリーンタイムのデメリット

スクリーンタイムが長いと慢性的な疲労を引き起こします。
デジタル機器は視覚的な情報量が多いため、脳が情報処理で疲弊します。休み時間にスマホを触っている人は脳を働かせているので、休憩にならないんですね。

頭をぼんやりさせる時間を取ることで、脳が休まります。意図的にぼーっとする時間が必要です。注意点として、何もしていないとネガティブなことを考えてしまうため、意識的に何も考えないようにしましょう。

スクリーンタイムが長いことのデメリットは次のリスクと有意に関連していることが研究で確認されています。

スクリーンタイムが長いと腸内環境や代謝さえも変化させて、様々な疾患になりやすいとのこと。ずっとテレビを見ていたり、スマホをイジっていたりしたら、脳の疲労はもちろん、運動、食事、睡眠に悪影響が出そうですもんね。
慢性的に疲れが出やすくなるのも、納得です。

スクリーンタイムが多いと座る時間も増えるため、さらに身体の活動量が減ってしまいます。
世界保健機関のWHOは、「座りすぎは心臓病、がん、2型糖尿病のリスクを高める。座りっぱなしの時間を減らし、身体活動を行うことは健康に良い」とWHO身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)で述べています。

スクリーンタイムが多いと心身の不調につながります。

デジタル断食の実践法

手間を増やす

デジタルにアクセスするのに時間がかかるようにしましょう。
手軽さを減らして、不便さを増やします。

時間がかかるようにするには、

物理的に遠ざける

手間を増やす

ことがポイントになります。人は物理的・精神的に近くにあるものを使う傾向があります。その傾向をデジタル断食に応用するんですね。

具体的な実践法として次のようにしましょう。

  • アプリはフォルダにしまう
  • スマホはカバンに入れる
  • アプリをアンインストール

スマホをポケットの中に入れないだけでも使用時間を減らすことができます。自分の使い方によって、有効な手間の増やし方は変わります。

色々と試してみましょう。

通知をすべて切る

SNS、メッセージなどのアプリの通知をすべて切ります。確認したい場合は、1日の中で決まった時間にだけ見るようにしましょう。

通知を切ることでスクリーンタイムを効果的に減らすことができます。通知を見るだけにとどまらず、ニュースをチェックしたり、SNSをチェックしたりとスマホを見る時間が際限なく増えていきます。
昼と夜に1回ずつだけ見ると事前に決めておくといいでしょう。

通知を切ると相手を不快にさせると心配する方もいると思います。そのような場合は、相手にアプリの通知を切っていると伝えておきましょう。

通知を切っている人と認識されれば、返事が遅くなっても相手は気にしません。
私もアプリの通知を1年以上切っていますが、困ったことは一度もありません。

スマホを確認する頻度が減るので、スクリーンタイムを減らすことができます。

習慣的に見ないようにする

デジタル機器を習慣的に見ないようにしましょう。
習慣的に見ている場合、回数を徐々に減らしていきます。自分の利用状況に合わせて、デジタル断食をしていきます。

朝と夕食時にテレビを見る、昼はニュースサイトを巡回する、休憩時にSNS・メッセージをチェックするなどデジタルの使用場面を特定して、利用を減らします。
1日の頻度を減らすことから始めて、毎日見なくなったら、一週間見ないで過ごすといった具合にステップアップしていきましょう。
スマホは「ついで」、「ながら」が多くなるので、見る機会をできるだけ減らしましょう。

特に休み時間にスマホを触らないようにすることが大事です。空いた時間ができたら、スマホをいじらずに、目を瞑ったり、散歩したりしましょう。

最終的には、すべてのSNSをできるだけ見ないようにしていきましょう。

置き換える

デジタル利用を別の活動に置き換えましょう。
ユトレヒト大学の研究によって、「〜をしない」というやめる目標は失敗しやすいことが判明しています。
やめようと意思だけで我慢するよりも別の行動をすると決めたほうが習慣化しやすいです。このときに良い行動に置き換えると一石二鳥になりますよ。

具体的には以下のような行動に置き換えてみましょう。

  • 運動する
  • 睡眠時間を増やす
  • 読書する

この他にも、自分の目標とする行動や好きなことにしても良いですよ。

デジタル断食中におすすめな4つの過ごし方

デジタル断食のおすすめの過ごし方を紹介します。どれも心身の健康に科学的な効果があるものです。

1、呼吸瞑想

呼吸瞑想をしましょう。
呼吸瞑想は場所を選ばないので、休憩中におすすめの瞑想法です。

呼吸瞑想
呼吸に意識を集中させる瞑想法。呼吸以外のことに意識がそれたら、再度、呼吸に意識を向けます。意識を向ける場所としては、鼻腔を通る空気の感覚、お腹の伸び縮みなどがあります。

瞑想は脳のエネルギーの60~80%の消費量を占めるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の活動を抑えて、脳のエネルギーの無駄遣いを防ぐため、効果的に休息することができます。

瞑想には様々な種類がありますが、困ったら呼吸瞑想をしてみましょう。目を瞑ると思考だけでなく、視覚からの情報量も減らすことができるので、さらに疲労の解消効果が期待できます。

呼吸瞑想の他に深呼吸も疲労を解消する効果があります。深呼吸は血圧低下、脳のリラックス促進、ストレスの解消の効果研究で明らかになっています。

深呼吸は簡単で鼻呼吸で4秒ほど息を吸ったら、4〜8秒かけて息を吐きましょう。人は息を吐くとリラックスできるため、息を吐く時間は長いほうがリラックス効果が上がります。

デジタル断食中に呼吸に集中すると、高まった気分を落ち着かせて休息することができます。

2、運動

運動する時間を設けましょう。

WHO身体活動・座位行動 ガイドライン」では次のように運動することが推奨されています。

  • 有酸素身体活動
    成人では、中強度の有酸素性の身体活動を少なくとも150~300分 or 高強度の有酸素性の身体活動を少なくとも75~150分 or 中強度と高強度の身体活動の組み合わせによる同等の量を行うべき
  • 筋力向上活動
    成人では、週に2日以上 すべての主要筋群を使用して実施する中強度以上の強度の筋力向上活動を行う

中強度は速歩きなどの少し息が上がるくらいの運動で、高強度はランニングなどの息が上がって会話できなくなるくらいの強度です。
この2つの基準をクリアできている人は中々の運動家ですね。

WHOは、「身体活動により、総死亡率の低下、 高血圧、がん、2型糖尿病の発症の予防、 メンタルヘルス (不安やうつ症状の軽減) や認知的健康、睡眠の向上、および肥満の改善といった様々な健康効果が得られる」と述べています。
これだけの効用があれば、やらない手はありませんね。

1日の中で運動する時間を設けてみましょう。
最初は家で簡単にできるエクササイズから始めて、慣れてきたら、回数や時間を徐々に増やしていきます。
腕立て伏せバーピーなどのインターバルトレーニングは心肺機能、筋肉を同時に鍛えられます。比較的、短い時間でも効果が得られるので、おすすめですよ。

3、マインドフルネス

マインドフルネスで今、この瞬間に集中しましょう。
人は「会社でミスしてしまった」「同僚に嫌なことを言われた」とネガティブなことを考え始める傾向があります。マインドフルネスは雑念を減らして、脳疲労を防いでくれます。今に集中することで脳があれこれと考えづらくなるんですね。

ハーバード大学の研究によると、マインドフルネスは燃え尽き症候群の症状を改善させて、ストレス、不安を減らしてくれることが判明しています。疲労対策に効果があると言えますね。

マインドフルネスは目の前のことに集中すればいいので、あらゆる活動がマインドフルネスになります。歯磨き、ぼーっとする、風景や景色を見るといったことにただ集中してみましょう。他のことが思い浮かんだら、呼吸瞑想と同じように、活動に意識に戻せばOKです。

デジタル機器を使用するのではなく、マインドフルネスでいることで、疲れがとれますよ。

4、睡眠

睡眠が足りていないと感じる方は睡眠時間を増やしましょう。
休憩として、昼寝、目を閉じることも疲労に効果があります。

睡眠は脳の休息時間で、アミロイドβタンパク質という疲労物質を除去する役割を持っています。アミロイドβはアルツハイマー病の原因物質とされており、十分に寝ないと脳にダメージを与えることになります。睡眠は脳内の老廃物を掃除してくれるのです。

普段から寝不足の人は休憩時間に昼寝を取り入れましょう。30分の昼寝で睡眠不足のダメージが回復するという研究があります。昼寝できない方は目を閉じるだけでも効果があります。

睡眠時間を増やせば、疲労を軽減できるので積極的に取り入れましょう。

まとめ:デジタル断食で心身の疲労から自由になる

デジタル断食は情報の洪水から自分を自由にしてくれます。
デジタルから距離を置くと、ストレスが減って、いつもよりゆっくりとしたスローライフが送れます。デジタル機器を使うと時間がないという感覚になりやすくなるという研究もありますからね。

私はデジタル断食でスクリーンタイムを減らしたところ、常に時間に追われている感覚が和らぎました。今はデジタルは必要なとき以外は使わないようにしています。以前よりも頭を使わずにぼーっとする時間を楽しんでいます(笑)

デジタル断食のおすすめ本

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた
こちらの本はSNS、ゲーム中毒などのデジタルへの依存症を解説しています。
私たちがなぜ依存するのか、依存症からどうやって抜け出せばいいのかを教えてくれます。
逆に依存する仕組みを使って良い行動を促す方法も教えてくれるので、依存症の人だけでなく、目標を達成したい方にもおすすめの本です。

デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに集中する
この本はデジタルなどのテクノロジーに対する「哲学」を教えてくれます。
自分の大切なものに集中するためにどのようにテクノロジーと向き合っていけばいいのかという方向性を知ることができます。
スマホやデジタル疲れを感じている人は読んでみてください。

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