「効率的に勉強したい」
「一生使える勉強法を知りたい」
このような思いはありませんか。
効率的な勉強法を身につければ、テストだけでなく、人生の様々な場面で役に立ちます。
科学的な勉強法を実践することで、学んだことを思い出しやすくなり、応用したりしやすくなります。
自分の成長スピードを上げることにもなるので、勉強やビジネスでも必須ですよ。
今回の内容は、
- テストに有効な勉強法とは?
- テスト勉強の大事な考え方とNGな考え方
- 効率的な3つの勉強テクニック
- ずっと記憶に残る4つのテスト勉強法
となります。
それでは順番に解説していきますね。
テストに有効な勉強法とは?
テストに有効な勉強法とはなんでしょうか。
現代科学では共通する答えが出ています。
効果が高い勉強法を一言でまとめると、
- 脳に必死に努力させる勉強法
となります。
脳にあまり負担がかからない勉強法は、すぐに忘れてしまいます。
それに対し、脳に適度な負担をかけると、記憶に長期的に残すことができます。
質の高い学習にするには、ちゃんと頭を使う必要があるんですね。
具体的には、ただ単に同じテキストを何回も読んだり答えをすぐに見たりするといった楽な勉強法を選ぶのでなく、暗記カードを使ったりテストで問題を解いたりするといった少し大変な勉強法を選ぶほうがより効果のある学習法となります。
効率的な勉強法は、脳に一生懸命努力してもらう勉強法です。
テスト勉強で大事な考え方
テスト勉強で大事な考え方とは、
- 成長マインドセット
です。
成長マインドセットとは、人は努力で大きく成長できるという考え方です。
成長マインドセットの生徒は粘り強く問題に取り組み、成績が良く、失敗からの立ち直りが早いという研究があります。
努力で成長できるという考え方を持つと、失敗も成長と考え、難題にも挑戦して、様々な努力の仕方をすることができます。
学習によって脳が変化し、神経の新しいつながりが生まれ、知能が向上します。
成長マインドセットの努力次第で人は変われるという考え方は実際に正しいということです。
成長マインドセットという考え方を持つだけでも今後の成長に関わってきます。
テスト勉強のNGな考え方
テスト勉強でNGな考え方とは、
- 固定マインドセット
です。
成長マインドセットに対して、人の能力は固定的で変わらないという考え方を固定マインドセットと呼びます。
固定マインドセットの人は自分の能力を証明しようとし、失敗につながる難しい問題や新しいことを避けようとします。
そして、大きな障害にぶつかると学習意欲がなくなり、成績が低下してしまいます。
人は変われないという考え方はメンタルにも悪いです。
失敗や問題があると、自分に対しても「生まれつきダメなんだ」、「努力しても無駄」と考えてしまい、頭から離れなくなります 。
固定マインドセットは、結果的に自分で自分を傷つけてしまうんですね。
固定マインドセットの例としては、
- IQが低いからどんなに勉強しても意味がない
- 自分は生まれつき効率が悪い人間だ
というような考え方があります。
IQや能力テストは成功に必要な能力を測ることはできないことが分かっています。
しかも、IQで測られる言語と数学能力は学校、習慣や栄養状態で向上させられます。
つまり、努力次第で伸ばせるということです。
固定マインドセットに囚われて、成長する機会を自分から奪わないようにしてくださいね。
効率的な3つの勉強テクニック
科学的に効果のある勉強テクニックを教えます。
まず効果的な勉強について、明確にしていきます。
効果のある勉強の条件としては、
- 記憶に長期的に残る
- 必要な知識をいつでも使える
ことです。
知識を長期的にいつでも自由に使えるようにすることが効果的な学習です。
ここでは長く記憶に残る、知識を適切な状況で使えるようにする3つのテクニックをお伝えします。
1、検索練習
1つ目は検索練習です。
検索練習とは、学んだ知識を思い出すことです。
学んだ知識を思い出そうとすることで記憶に残ります。
思い出す練習をすることで学習の神経回路が強化されます。
ワシントン大学の研究では学生がテキストを読んだ後にテストを受けるグループと受けないグループを比較して、1週間後の記憶力に差が出るかを調べています。
その結果、テストを受けた学生グループは、テストを受けなかった学生グループよりも、情報を50%も多く憶えていました。
テストで学んだ知識を思い出すことでより記憶に残るのです。
検索練習ではすぐに諦めずにちゃんと思い出す努力をすることが重要です。
2、スペーシング
2つ目はスペーシングです。
スペーシングとは、学習の間隔を空けることです。
スペーシングに効果がある理由は、
- 忘れかけたときに思い出そうとすることで脳に適度な負荷がかかる
- 学習してから眠ることで記憶が脳に定着する
からです。
学生が外国語を勉強した後にその復習をどのタイミングですれば効果的なのかを調べた研究があります。
復習のタイミングは、当日、1日後、1か月後に設定しました。
その結果は、
当日:最下位の平均点
1日後:当日より30%高い平均点
1か月後:当日より50%高い平均点
となりました。
勉強を復習する際には1日以上空けたほうが成績が良くなります。
学習した後にすぐ思い出そうとしても脳にはあまり負荷がかかりません。
しかし、1日、1週間、1ヶ月前のことであれば、中々思い出せずに脳に適度な負荷がかかります。
今日の夕食で何を食べたかはすぐに思い出せますが、1週間前や1ヶ月前の夕食は中々思い出せませんよね。
スペーシングは睡眠を挟むといいため、覚えたいものは1日以上の間隔を空けて勉強しましょう。
3、インターリービング
3つ目はインターリービングです。
インターリービングとは、学習内容をバラバラに混ぜ合わせることです。
インターリービングで記憶に残りやすくなり、判別力も向上します。
様々な題材の問題をバラバラにすると、どのように解けばいいのかという判断能力が求められます。
同じような題材の問題だけを解いていると、判断力があまり身に付きません。
例えば、数学のベクトルの章ではベクトルを使って問題を解けばいいと何となく分かってしまいますよね。
インターリービングをすると、脳が問題を分析して解法を考えるところから始まるため、学習を効果的なものにします。
ただし、注意点として、インターリービングは基本を身につけてから実践しましょう。
最初にその題材についての知識を身につけた上で、他の題材と混ぜ合わせるようにします。
実際のテストでは、解法を指示することはほとんどありません。
問題をバラバラにして解けば、テストで必要な判断能力を鍛えることができます。
ずっと記憶に残る4つのテスト勉強法
効果的な勉強テクニックを利用した実践的なテスト勉強法を紹介します。
ここにはない方法でも勉強テクニックの要素があれば、効率的に学習することができますよ。
1、テスト
テストは効果的な勉強法です。
テストというと勉強の成果を見るためと思われがちですが、学習法としても優秀です。
テストは教科書などを見ずに問題を解くため、必要な知識を判断して思い出さなければなりません。
自分の答えが間違っているかどうかもはっきりと分かるため、学習の指標になります。
自分の点数、理解度や苦手分野が把握できるため、取るべき行動が明確になります。
一方でテキストをただ読んでいるだけだと何となくできる気がしますが、この状態は危険です。
自分の学習度を知ることができないため、何をすればいいのかも分かりません。
テキストをただ読むだけで試験を受けるのは、目的地にコンパスがない状態で向かうのと同じです。
テストの具体的な実践法は、
- まずテストする
- 問題をすべて解いたら、答え合わせする
- テストで間違ったところは答えの解説を見る。解説が分かりにくいところは自分の言葉で補足する
- そして、もう一度、問題を答えを見ずに解く
- 解けるようになったら、間隔を1日以上空けてテストしてみる
となります。
テストは学習に必要な様々な能力を向上させ、フィードバックで改善すべきところを教えてくれます。
2、暗記カード
暗記カードを使ってみましょう。
暗記カードは紙、アプリなどで実践することができます。
暗記カードは、問題を見て自分の答えを出してから答えを見るという学習法です。
紙の場合は表に問題、裏に答えを書くパターンが多いですね。
英単語の勉強なら、表に英単語の「accrete」、裏に英単語の意味の「融合する」といったように使います。
暗記カードの問題は、
単純な事実:英単語、歴史の年号、漢字の読み方
概念や理由:スマートグリッドとは何か?、筋トレをするとなぜ筋肥大するのか?
といった単純な事実以外に概念や理由を問うこともできます。
概念を問題にするときは、本質を抜き出したシンプルな答えにしましょう。
暗記カードは自分でオリジナルの問題を作ることができます。
ワシントン大学の研究では、他人が作った問題よりも自分で問題を作るほうが学習効率が上がるということが判明しています。
暗記カードは、単純な答え・短文、穴埋め、選択問題など形式は問いませんが、自分が少し難しいと思えるレベルの問題を作ってくださいね。
私は「Anki」というスマホアプリを使っています。
写真や図なども簡単に使えるため、様々な問題や答えに対応できて幅が広がりますよ。
「Anki」では自分の理解度に応じて、問題を出題する間隔を自動で調整してくれるため、間隔練習にもなります。
紙で暗記カードを作ると、毎日、1週間後、1ヶ月後というように間隔を空けるためにいくつかの暗記カードの束を作る必要がありますからね。
スマホアプリですと、問題や答えもすぐに作れますし、膨大な量でもスマホだけでテストできるため、おすすめですよ。
暗記カードでオリジナルの問題を作り、自分に必要な知識を付け加えて、学びをアップデートし続けられます。
3、能動的なテキスト学習
能動的なテキスト学習をしましょう。
能動的なテキスト学習とは、テキストに検索練習を加えたものです。
能動的なテキスト学習をすることでテキストの内容を記憶に残りやすくします。
ただテキストを読むだけだと、脳が努力を必要としないのであまり記憶に残りません。
テキストをただ読むだけでなく、事前にテキストの内容を予想したり、思い出したりしようとすると脳が活性化します。
能動的なテキスト学習のおすすめのやり方は、
- ブレインダンプ
- 赤シート
- 事前問題
ですね。
これらはいずれも思い出すという検索練習の要素を取り入れたものなので、記憶力、自分の学習度の理解を向上させます。
ブレインダンプのやり方はテキストを読んだら、内容をすべて書き出すという手法です。
重要なポイントだけを書き出すというやり方でも効果があります。
ブレインダンプで思い出せなかった記憶に対しても効果があることが研究で確認されています。
赤シートは定番の勉強法で、テキストで覚えたいところを赤文字、緑ラインにして赤シートで隠すことでテストするという手法です。
注意点としては、大事なポイントを見極めてマーカーを引きましょう。
マーカーを引きすぎると問題として成り立たなくなってしまいます。
事前問題は、テキストの内容に関する問題を作っておいて、事前にテストしてからテキストを読み進めて答え合わせをするという勉強法です。
先にテストをして、テキストで答えを見るというイメージですね。
能動的なテキスト学習でテキストを利用しながら、学習効果を上げることができます。
4、勉強日記
勉強日記をつけましょう。
勉強日記をつけることで自分オリジナルの学習システムを構築することができます。
勉強日記では、勉強内容、勉強の振り返り、今後の成長案などを書きます。
テスト勉強も重要ですが、勉強手法を改良し続けることも大事です。
普段から振り返る習慣があることで、勉強、経験からの学びをさらに加速させられます。
具体的には、以下のように書くといいでしょう。
- ノートはテキストなどの丸写しよりも自分なりの言葉でまとめたほうが効果が高いと本で読んだので、今度から実践してみる
- 英文を読むスピードが遅い。普段の英文はそのまま読んで、難しい英文だったら文章の分析をしよう
- 午後4時以降は勉強の集中力が落ちた。明日からは午後3時くらいに休憩として散歩を30分ほどする
勉強に役立つのであれば、内容は何でも構いません。
定期的に振り返って、自分の行動を改善し続けることが大切です。
自分の学ぶ手法をアップデートしましょう。
私は寝る前に学習の1日の感想、今後の成長案を書いています。
自分の勉強法、勉強時間、休憩の過ごし方などをひたすら試しています。
自分なりのより良い勉強手法を試行錯誤して身につければ、一生役に立ちます。
まとめ:テスト勉強法は一生役に立つ
学生、社会人も知識を効果的に増やしてテストするという点は一緒です。
そのため、テスト勉強法は全世代の学習法としても使えますし、記憶力、応用力、判別力、自分の理解度のメタ認知などが身につきます。
私はテキストで基礎を固めてから、テスト、暗記カード、能動的なテキスト読みをしています。
毎日の習慣として、勉強日記をつけていますよ。
効果的な勉強法は一生役に立ちます。
自分なりに有効な勉強法を確立してくださいね。
勉強や学習に関するおすすめ本
・マインドセット「やればできる! 」の研究
勉強や学習において、マインドセットは特に大切です。
この本はなぜ成長マインドセットが重要なのかを豊富な研究や実例で説明してくれます。
成長マインドセットは勉強に限らずに、人間関係、ビジネス、スポーツに良い影響を与えます。
すべての人に読んでほしい本です。
・使える脳の鍛え方
こちらの本は効率的に学習する方法を紹介してくれています。
学習の仕組み、効果的な学習の要素、具体的な実践法を教えてくれるので、自分なりの勉強法をアレンジできるようになります。
科学的な学習の仕組みや勉強法を知ることができるので、特に受験生や社会人におすすめの本です。