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スクリーンタイムが多いと健康に悪い!しかし、使い方次第でメリットを得られる

みなさんは自分がスマホを1日何時間使っていると思いますか?

iPhoneユーザーが予想した使用時間は4時間9分でした。しかし、スマホの1日の平均的な使用時間は6時間58分と調査から判明しており、予想されたスマホの使用時間はかなり過少に見積もられていました。

しかも、この調査ではスマホだけなので、パソコンやテレビなどの他のデジタル機器は含まれていません。デジタル機器の使用時間を表す「スクリーンタイム」は実際にはもっと長くなるでしょう。

座位行動やスクリーンタイムを伴う座りがちな行動は、多くの研究者に調査されていて、爆発的な勢いで増えています。現代のテクノロジーは日常生活に定着しており、それだけ注目されているということですね。

スマホやPCなどのスクリーンを見ることは利点がある一方、リスクもあるので注意が必要です。今回は「スクリーンタイムって健康に悪いの?」を調べたレビュー論文を紹介します。

スクリーンタイムとは?

スクリーンタイムとは、スマホ、パソコン、ゲーム、テレビなどのデジタル機器を使用している時間のことです。ディスプレイやモニターを見つめている時間のことですね。

スクリーンタイムが多いと目が疲れますし、運動時間が減る傾向にあります。スマホなどを見ている時間が多いと、それに応じて座っている時間も長くなる傾向にあります。

一般的には2時間以上のスクリーンタイムは健康への悪影響があるとされています。WHOのガイドラインによると、「2歳未満はスクリーンタイムを推奨しない、2歳〜4歳は1日1時間未満」という基準が出ています。

スクリーンタイムが長い人は座っていることが多く、運動量が少ない傾向にあるので、一概にスクリーンタイム自体が悪いと結論づけることは難しいのが現状です。ただし、運動不足以外にも、スマホへの行動依存を引き起こすなどの独自のデメリットもあります。

ここからは2017年のレビュー論文の内容を主に見ていきます。

スクリーンタイムのデメリット

スクリーンタイムが長いと

  1. 身体
  2. 行動

への悪影響があることがわかっています。1つずつ説明していきますね。

長時間のスクリーンタイムは身体の健康と負の関係がある

長時間のスクリーンタイムは身体の健康を損なう可能性があります。多数の研究を統合するシステマティックレビューによると、スクリーンタイムと健康指標との間に多数の負の関係があることのこと。

子供と青年では、スクリーンタイムと肥満、血圧やコレステロールの上昇、自尊心の低下、社会的行動の問題、体力の低下、学業成績の低下と関係していることが分かっています。成人では、スクリーンタイムと全死亡リスク、心疾患、2型糖尿病、メタボリックシンドロームとの関連があります。

しかし、スクリーンタイムと健康指標の関係性は複雑で、座位行動の種類や年齢層など、多くの要因に左右されています。一般的には、テレビ視聴が多いほど健康リスクとの関連性が強くなっていました。

スクリーンタイムを減らすと、身体活動レベルに変化がなくても、カロリー摂取量が減って、BMIが下がったという研究は多数報告されています。痩せたい方はスクリーンを見る時間を減らしてみるのも手ですね。

長時間のスクリーンタイムは心の健康と負の関係がある

長時間のスクリーンタイムはメンタルにダメージを与えるかもしれません。子供と青年ではスクリーン時間の長さと、落ち着きや注意力の欠如、幸福度や生活の質の低下などのメンタルヘルス指標の間に負の関連がありました。

10代の女性を対象とした系統的レビューでは、スクリーンタイムの長さがうつ病や社会的支援の欠如と関連していることが判明しています。特にSNSの使用はメンタルを悪化させるという研究も多数あるので気をつけましょう。SNSを使う場合は自分と他者を比較するのではなく、親しい人とやり取りするような使い方をするといいですよ。

スクリーンタイムでメンタルが心配という方は運動を取り入れるとメンタルが整い、身体にもポジティブな影響があるので取り入れてみましょう。

スクリーンタイムに特徴的なデメリット

スクリーンタイム特有のデメリットも紹介します。

スクリーンを見ていると企業の広告から行動に影響を受けます。不健康な食品など企業のメッセージによって、過食や偏った食事などになってしまう恐れがあります。

デジタル機器のブルーライトを寝る前に浴びることで、睡眠を促すメラトニンの分泌量を抑制され、睡眠障害を増加させる可能性があります。多くの人が就寝前の1時間の間にスマホなどを使用しており、入眠の妨げになっていることもわかっています。

スマホやSNSは依存症になる人が多いので、デジタル機器によるデメリットを知った上で、活用することが重要です。

スクリーンタイムのメリット

スクリーンにはメリットもあります。インターネットがあるからこそ、世界中の人と情報交換やコミュニケーションを取ることができます。

論文で挙げられたメリットを紹介します。

スクリーンは認知機能、創造性を向上させ、教育に役に立つ

ほとんどのゲームは問題解決能力や創造性を向上させることが判明しています。また、シューティングゲームをプレイしている人は、視覚処理、注意力、空間処理能力が高かったそうです。

集中力や頭を使うゲームは自然と脳トレになりそうですね。謎解き、戦略性、注意力が求められるゲームをプレイしてみるのもいいですね。特にFPSやゼルダの伝説などは効果がありそうです。

ゲームを自由に楽しむと活力が増すという研究もありますので、気晴らしにゲームをするのもいいですね。あまりにも熱中してゲームを長時間していると幸福度が低下するのでご注意ください。

教育用テレビ番組は、子どもの知識を増やし、人種的な態度、想像力に良い影響を与えることが明らかになっています。スクリーンは時間さえ守れば、学ぶツールとしても有用なんですね。

コミュニケーションツールとして有用

インターネットはコミュニケーション、社会的なグループを探すツールとして役立ちます。あくまでコミュニケーションツールとして使うことが大切です。

インターネットをコミュニケーション目的で使用する場合はうつや内面の問題を軽減する効果がありますが、ネットサーフィンはうつや社会的な不安を増やすという研究があります。

インターネットを使えば、健康に関する情報へのアクセスや社会支援をしているコミュニティへの参加を容易にできます。他人と協力するゲームは社会的なスキルを身に付けたり、他者と上手く連携できるようになったりします。

インターネットを社会的なツールとして使えば、グループ参加、コミュニケーションに役立つんですね。現実社会からインターネットという場所に変わっただけでコミュニケーション機能は似てると言えます。

スクリーンタイムを減らす方法

レビュー論文によると、子どものスクリーンタイムを減らすための効果的な介入は、スクリーン時間を減らすための目標を設定、スクリーン時間を制限する装置を使用、適切なフィードバック、カウンセリングを受けるとのことでした。

これらは子どもを対象とした方法ですが、大人にも有効でしょう。SNSのアプリをアンインストールする、朝のニュースを見ないなどの具体的な目標を設定して実践することは、スクリーンタイムを減らすのに役立ちます。ネットやゲーム依存などを治療する病院もあります。

デジタル機器は注目をできるだけ集めるように設計されているので、回数や時間を減らすには自制心をかなり働かせないといけません。個人的にはSNSやニュースなどは一気に断ってしまっても問題がない場合が多いと思うので、数日間、まったく見ずに過ごしてみて大丈夫であれば、そのままやめるのがおすすめです。

まとめ:デジタル機器に使用されるのではなく、上手く使用しよう!

デジタル機器を使用しつつ、健康でいるためには、身体を動かし、座る時間とスクリーンタイムを減らすことが重要だと研究によって示されています。

今後、テクノロジーが発達して生活に変化を及ぼし続けるでしょう。新しい技術が現れた時には日常への影響を記録して有効な対応をしていきましょう。

私はスクリーンタイムを減らすために睡眠と運動の時間を増やし、湯船に毎日浸かるようにしています。頭痛を時々感じていたのですが、今ではなくなりました。スクリーンタイムを減らすと別の行動時間が増えるのがメリットだと感じますね。

スクリーンタイムのおすすめ本

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する
この本はデジタルテクノロジーに対してシンプルに生きる哲学を教えてくれます。
自分の大切なものに集中するためにテクノロジーとの向き合い方を知ることができますよ。
スマホやデジタル疲れを感じている人は読んでみてください。

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた
こちらの本はSNS、ゲーム中毒などのデジタルへの依存症を解説しています。
私たちがなぜ依存するのか、依存症からどうやって抜け出せばいいのかを教えてくれます。
逆に依存する仕組みを使って良い行動を促す方法も教えてくれるので、依存症の人だけでなく、目標を達成したい方にもおすすめの本です。

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