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弱肉強食思考は生活の質を下げる!という研究

2021年11月20日

「世の中は弱肉強食」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
弱肉強食とは、強いものが弱いものを食べて生き残ることを意味します。

弱肉強食は、自然界の個体レベルでよく観察されます。
ライオンが鹿を捕食する場面などですね。

この考えをそのまま人間に当てはめたのが弱肉強食思考と言います。
つまり、弱肉強食思考とは、弱肉強食を人間社会にそのまま当てはめる考え方です。
具体的には、人の社会は資源の奪い合いで、自分の利益だけを考え、他人を騙して、お金や権力を重要視するという考え方になります。

人間の弱肉強食というとモヒカン男がヒャッハーしている世界が思い浮かんできますね。
あの世界は完全に弱肉強食となっていますが。

今回は、「弱肉強食思考は個人の生活の質を下げてしまうのでは?」を調べた研究(R)を紹介します。

ポーランド人の成人を対象として4つの無作為抽出(回答者数624〜853人)をした研究となっています。
弱肉強食思考の人は、以下の5つのカテゴリーにおいて、どのような傾向を持つかを検証しています。

  1. 愛着スタイル
  2. ビッグファイブの性格特性
  3. ダークトライアドの性格
  4. 基本的価値観
  5. 道徳的判断

これだけやれば、弱肉強食思考の傾向が分かりそうですね。
このようなテストを自分でやってみると自分への理解が深まりますよ。

その結果は、

  • 愛着スタイルは恐怖型で、高い不安(ネガティブな自己イメージ)や高い回避(ネガティブな他者イメージ)と密接に結びつく傾向があった
  • ビッグファイブでは協調性が低く、低い協調性は弱肉強食思考を支持する顕著なスコアとなっていた
  • 外向性、誠実性には小さな正の関係が、開放性には小さいながらも負の関係が観察された
  • ダークトライアドでは、マキャベリズム、サイコパシーと結びついていた。この結果は反社会的傾向、共感性の欠如を示すものだった
  • 価値観では、自己強化の価値観を好み、自己超越の価値観を強く拒否する傾向があった
  • 道徳的判断では、思いやりとは強い負の関係があり、正義と互恵性は小さい負の関係があった。権威への服従と社会秩序への尊重は強い正の関係があった

弱肉強食思考になっている人はこのような傾向がありそうですね。
一般的にマイナス面と思われる特徴が多いですね。

研究チームによると、

社会的な観点から見ると、このような信念は、協力的で助け合い、平等な社会を築くのに妨げとなる社会の未来像を作り上げます。他者に共感することなく、自分のために人を利用する者だけが成功し、生き残ることができるという考えは、自由民主主義の原則とはかけ離れています。

さらに研究では、弱肉強食思考は個人の生活の質という点で明らかに機能不全であるということを言及していました。

弱肉強食思考だと他者と助け合う社会の実現は中々難しいのかもしれないですね。
メンタルも悪化しそうですし。

人生をより良く生きるには、思考法はとても重要です。
有用な思考法を取り入れるだけで自分の成長を促したり、生活の質を上げることができたりすることができます。

成長マインドセット、エッセンシャル思考などの有用な思考法を取り入れてみてくださいね。
自分の成長を促したり、大切なことに集中したりすることができるようになりますよ。

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