みなさんは1日の中で「何もしない時間」を過ごしていますか?
まったくないという方はストレス、燃え尽き症候群、脳疲労に苦しむ可能性が高いです。
私は毎日ぶっ通しで仕事をしていた時は、燃え尽き症候群になりかけました。やる気がある日突然なくなり、無力感に襲われ、何もしたくなくなりました。
心と体の調子を整えるためにも、「何もしない時間」は必要です。
今回は「何もしない時間のメリット、おすすめの実践法」を解説します。
何もしない時間を作ることで、ストレス、燃え尽き、ネガティブな思考を減らして、日々を楽しく過ごして集中できるようになりますよ。
何もしない時間の3つのメリット
1、疲れが取れる
何もしないことで頭を空っぽにして、リフレッシュできます。情報をシャットダウンすることで、脳への負荷が軽くなります。
現代はテクノロジーの著しい発展により、アクセスできる情報量が急速に増え続けています。それに合わせて、人類の情報摂取量も増加し続けています。
2011年に人類の情報摂取量は、25年前と比べて、約5倍に増えていることが研究によって分かっています。今でも情報量の増加速度は衰えていません。
現代は大量の情報で溢れており、人の脳では処理しきれません。意識的に情報と距離を置く必要があります。
何もしない時間は脳のメモリをリセットさせる役割を担っています。
2、生産性の罠から解放される
何もしないことはすべての活動に生産性を求めてしまう方に有効です。
仕事では特に長時間労働に気をつけましょう。週の労働時間が40時間を超えると脳卒中リスクが高まり、55時間を超えるとさらに心疾患リスク、糖尿病リスクも高まることが研究により、判明しています。
余暇も注意が必要で、有意義な活動で1日を隙間なく埋めると逆に疲労が蓄積してしまいます。また、遊びや休みの活動もガチガチに決めてしまうと義務みたいに感じられて楽しめなくなってしまいます。
余暇を有意義なものすることは良いことですが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがあるように何事もほどほどが一番です。何もしないことで生産性から離れて、ゆっくりと休みましょう。
3、良いアイデアが思いつきやすくなる
何もしない時間を過ごすと、創造性が向上します。
脳への負荷が少ない状態では、独自性、創造性が高いアイデアを思いつきやすくなることが研究により判明しています。何もしないことで脳のメモリが開放されると、良いアイデアを思い浮かべるための作業スペースができるんですね。
人は何かに集中していないとき、「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」)と呼ばれる脳の回路が活性化します。DMNが働いている時ほど良いアイデアが思い浮かぶようになります。
何もしない時間は創造性を発揮するためにも必要です。1日中忙しく働くのではなく、何もしないと決めて自由に思考を動かすことも大事なんですね。
何もしない時間を過ごすだけで、脳の負荷を減らす、良いアイデアが浮かびやすくなるといった効果がありますよ。
「何もしない時間」の3つの実践法
何もしない時間を作るための実践法を解説します。正しい実践法をしないと、すぐに忙しい状態に逆戻りしてしまいます。
何もしない時間について、計画⇨注意の向け方⇨活動の順番で紹介していきますね。
1、プレコミットメント
何もしない時間を計画するために、プレコミットメントをしましょう。プレコミットメントは、事前に行動をスケジュールに組み込む手法です。
プリコミットメントでは「何もしない時間」のスケジュールを決めておきましょう。就寝前の30分間になったら何もしない、といった具合ですね。
やり方はif-thenプランニングと同じ方法なので、行動を変える力は研究でお墨付きです。
生産性の罠にハマっている人は休息の時間を強制的に取らないと休めないという方も少なくないです。仕事中毒気味の人は午後9時からは休息するというように決めておきましょう。
自分で休息の時間を設定した後は周囲に宣言するとさらに効果的です。周りから理解されることで行動を後押ししてくれます。
何もしない時間を1日に事前に組み込んでおきましょう。
2、マインドフルネス
マインドフルネスで効果的に休息することができます。マインドフルネスとは、今この瞬間に注意を向けることです。
何もしないのは案外難しく、すぐに様々な思考が浮かんできます。ネガティブな思考や将来への不安に囚われてしまうと、頭を休められずに疲れてしまいます。
マインドフルネスで注意力を鍛えると効果的に休息できるため、何もしないことを実践しやすくなります。ロチェスター大学の研究によると、マインドフルネスで燃え尽きの原因となる感情的疲労の症状が改善したことが明らかになっています。
注意力を鍛える方法として有名な呼吸瞑想のやり方を紹介します。
呼吸瞑想は、ひたすら呼吸に集中するトレーニングで、空気が鼻腔を通る感覚に注意を向けると実践しやすいです。意識が逸れたら、再び呼吸に意識を集中させましょう。姿勢は楽な姿勢であれば何でもいいんですが、初めての方は座るか横になるのがおすすめです。
マインドフルネスの詳しいやり方は「マインドフルネスは最高の集中と休息テクニック!日常での簡単な実践法を紹介」をお読みください。
マインドフルネスが上手になると、休日でも頭の中が仕事や不安で一杯ということが減ります。自分で好きなところに意識を向けることができるからですね。
マインドフルネスが上手になると、休日でも頭の中が仕事や不安で一杯ということが減ります。自分で好きなところに意識を向けることができるからですね。
マインドフルネスで何もしない時間を過ごしましょう。
3、リラックスタイム
何もしない時間はリラックスタイムになります。リラックスタイムは自分に負荷がかからない活動をしましょう。
現代では余暇を本業の生産性や自分の能力を上げるための学びや鍛錬として認識されることが多くなっています。そのため、単純な仕事時間だけでなく仕事以外の時間も仕事のために費やすことになってしまいます。
すべての時間を有効活用しようとすると休まる時間がありませんよね。リラックスタイムは完全な休息として必ず確保しましょう。定期的な休憩でパフォーマンスが上がることが分かっており、休む時間は必須です。
リラックスタイムとしての活動は、散歩、音楽鑑賞、読書、入浴などが良いでしょう。これらの活動中でも認知的な負荷をかけ過ぎないようにすることが大切です。ちなみに視覚は情報量が多いので目を酷使する動画鑑賞は控えるようにしましょう。
私は疲れた時や1日の終わりはリラックスタイムにしています。軽い運動、軽い読書、呼吸瞑想、外の景色をボーっと眺めるなどをしています。
まとめ:何もしない時間は自分を大切にすること
仕事ファーストではなく、余暇ファーストで生きましょう。生産性を求めすぎると心身が休まらずに、ストレスが増え、燃え尽きやすくなります。
生産性から距離を置いて、何もしない時間で認知的な負荷をクリアにしたり、思考を好きに巡らせたりしましょう。
何もしない時間に罪悪感を感じてしまう人は自分の価値観が不明確なのが原因です。価値観を明確にする方法は以下の記事をご覧ください。
最近流行りのサウナはスマホは持ち込めない、暑さや寒さで深く考えられなくなる、まとまった時間が必要なので「何もしない」のに特におすすめな活動ですね。何もしない時間なんて耐えらないという方はサウナで強制的に何もしないことを習慣化してみてください。
時間術のおすすめ本
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