みなさんはこんな経験はありませんか?
集中しようと思っているのにすぐに他のことを考えてしまう
休みの日でも不安や心配事ばかり考えてしまい休んだ気がしない
これらの悩みを解消する方法があります。
「マインドフルネス」です。
マインドフルネスで現在に注意を払うことで、集中力を上げることができ、脳を休息させることができます。
ネガティブな思考や感情を減らし、今の瞬間を心から楽しむことができるようになります。
今回は、マインドフルネスについて紹介します。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向けることです。
マインドフルネスは「気づき」とも言えます。
瞑想は、注意力を鍛えるトレーニングです。
瞑想することで、マインドフルネスを強化することができます。
瞑想によりマインドフルネスの状態になりやすくなります。
マインドフルネスを実践することでも注意力を鍛えることができますよ。
マインドフルネス、瞑想で鍛えられる2つの注意能力を紹介します。
- 注意
- メタ注意
メタ注意というのは、注意自体に注意を払う能力のことです。
パソコンで資料作成をしているときに、おなか減ったな…と考えた後で、注意が逸れたと気づき、再び資料作成に取りかかりました。
この注意が逸れたことを知る能力がメタ注意です。
マインドフルネスの3つの効果
マインドフルネスには3つの主な効果があります。
- 注意力、集中力の向上
- 脳疲労の解消
- ストレス、ネガティブな思考の減少
1、注意力、集中力の向上
マインドフルネスで、集中力が向上します。
マインドフルネスで注意とメタ注意が鍛えられると、一つのことに注意を向ける能力と他のことに注意が逸れてもリカバリーできる能力を高められます。
マインドフルネスを実践すると、物事に集中でき、意識が他に逸れてしまっても、意識を戻して集中することができます。
マインドフルネス、瞑想は心の筋肉トレーニングと同じで鍛えれば、心の筋肉も成長していきます。
実際に、マインドフルネスは大脳皮質の厚さを増やすなど脳の構造を変えることが確認できており、継続すればさらなる注意力、集中力を得ることができます。
2、 脳疲労の解消
マインドフルネスは、脳の疲労を解消させます。
マインドフルネスはDMNの活動を抑えることで脳を休ませることができます。
脳の消費エネルギーの60〜80%は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳内ネットワークに使われています。
DMNとは、脳がぼんやりとした状態のときに行っている神経活動です。
DMNは活発になると、雑念が浮かびやすくなります。
DMNが過剰に活発化すると、勝手に浮かび上がってくる雑念に脳が疲れてしまい、脳疲労につながります。
また、ネガティブな思考を繰り返す反芻思考もDMNの使いすぎになっていまい、脳疲労になります。
つまり、雑念やネガティブな思考にとらわれると、脳のエネルギーが大量に消費されて脳が疲労します。
また、反芻思考と呼ばれるネガティブな思考を繰り返し考えてしまうことでも脳疲労を引き起こしてしまいます。
休日なのに、仕事や私生活の悩みについて考え過ぎて疲れてしまったという経験はありますよね。
この疲労は、脳疲労によって引き起こされた可能性があります。
マインドフルネスは、DMNの活動を抑えます。
DMNの活動を抑えることで、脳を休息させてくれるんですね。
3、ストレス、ネガティブな思考の減少
マインドフルネスは、ストレスやネガティブな思考を減少させます
人間の脳は楽しい、嬉しいというポジティブな感情や思考よりも心配、不安というネガティブな感情や思考のほうが強度が強く、記憶にも残ります。
つまり、人は元々ネガティブなことを感じたり、考えたりする傾向があるのです。
具体的には、仕事の失敗で繰り返し自分を責めたり、今ではどうにもできない過去のことを「あのとき、ああやっておけばよかった」と後悔したりしやすいということです。
このようなネガティブな出来事を何度も思い出して、悩みや不安を増長させてしまいます。
マインドフルネスを実践することで、目の前にタスクに意識を向け、ネガティブなことを考え始めても、再び目の前のタスクに意識を戻すことができます。
その結果、ネガティブな思考の時間が減り、今の瞬間を存分に楽しんだり、集中したりすることができるため、人生の質が上がります。
マインドフルネスは、仕事では目の前のタスクに集中し、プライベートでは身体や脳をしっかりと休息させることができます。
まさに攻守共に優れた生き方と言えます。
マインドフルネスの実践法
マインドフルネスの実践法を見ていきます。
最初はマインドフルネスをしていると、何でこんなことをしているんだろうという気持ちになったり、こんなこと意味があるのかという疑問が浮かんできたりします。
初心者の方はほんの少しの短い時間からでもいいので、実践してみましょう。
毎日無理なく続けることが大切です。
それでは主な3つ瞑想を紹介しましょう。
まずはこの3つを生活に取り入れるといいですよ。
1、呼吸瞑想
瞑想の中でも一番スタンダードな呼吸瞑想を紹介します。
呼吸瞑想とは、ひたすら呼吸に集中するトレーニングです。
呼吸瞑想はどこでもできるので、オールマイティに使えますよ。
呼吸瞑想の基本的なやり方
- リラックスして座り、目を閉じる
- 呼吸に意識を向ける
- 空気が行き来する感覚に意識を向け続ける
- 呼吸から意識が逸れたら、呼吸に意識を戻す
瞑想は呼吸に意識を集中できればいいので、姿勢は立ちながら、座りながら、寝ながらしてもかまいません。
呼吸は自然に呼吸をしましょう。
目は開けても閉じていてもいいです。
空気が行き来する感覚は、空気が鼻腔を通る感覚、お腹が膨らんだり縮んだりする感覚に集中すると良いでしょう。
好きなようにアレンジしてみてください。
私が日々実践している呼吸瞑想のやり方も紹介しておきます。
好きな姿勢で目を休ませることもできるので、休憩するときによくやっています。
おすすめの呼吸瞑想のやり方
- 自然な姿勢(立ち、座り、寝ながらでも良い)で、目を閉じる
- 呼吸に意識を向ける
- 空気が鼻孔を行き来する感覚に集中し続ける
- 何かを考え始めたら、呼吸に意識を戻して、再び呼吸に集中する。
呼吸瞑想でリラックス効果を得たいときは「パワーブリージング」がおすすめです。詳しくは「パワーブリージングは最強のリラックス効果!心身をリセットして疲れを癒す」をご覧ください。
呼吸は、現在に意識を戻す錨(いかり)となります。
すぐに過去や未来のことを考えてしまう人は、呼吸瞑想をしてみましょう。
不安や心配などから今この瞬間に意識を戻すことができますよ。
2、ムーブメント瞑想
呼吸瞑想が「静」の瞑想ならば、ムーブメント瞑想は「動」の瞑想です。
ムーブメント瞑想は、体を動かしながらできます。
じっとしているのは落ち着かないという人におすすめの瞑想法です。
ムーブメント瞑想は、自分の身体の動きや感覚に意識を向けるトレーニングです。
そのため、日常の動作は、ムーブメント瞑想にすることができます。
ムーブメント瞑想でも代表的な歩行瞑想を紹介します。
歩行瞑想は、歩きながら、足の裏の感覚に意識を向ける瞑想です。
歩行瞑想のやり方
- ゆっくりと歩く
- 足の裏の感覚に意識を向ける
- 右足が地面から離れる、前に出る、下がる、地面につく感覚に意識を向ける
- 次は左足で3をやる
- 他のことに意識が向いたら、歩行に意識を戻す
歩行瞑想は歩くことに意識を集中できればいいので、慣れてきたら歩くスピードは速くしてもいいですよ。
足の感覚もただ地面から離れた、ついたと簡略化してもかまいません。
ただ歩く感覚に自分の意識を集中させましょう。
ムーブメント瞑想は動作や感覚に意識を向ける瞑想なので、無数にあります。
日常で使えるおすすめのムーブメント瞑想を紹介します。
おすすめのムーブメント瞑想
- 筋トレ瞑想
- 運動瞑想
- 歯磨き瞑想
- 食事瞑想
筋トレ、運動は動かしている部位に、歯磨きは腕や歯の感覚に、食事瞑想は食べ物の味、触感、匂い、見た目などの感覚にひたすらに意識を向けます。
みなさんも日常にムーブメント瞑想を取り入れてみましょう。
3、慈悲の瞑想
慈悲の瞑想は、「愛」の瞑想です。
慈悲の瞑想は、自分自身に思いやり、他者に優しい気持ちを呼び起こします。
自分や他人にネガティブな気持ちになったときに使うとリラックスでき、優しい気持ちになれます。
慈悲の瞑想のやり方は、自分自身、大切な人、嫌いな人、すべての人に対して、順番に慈悲の言葉を繰り返し唱えるだけです。
慈悲の言葉
- 〜が、幸せでありますように
- 〜が、健康でありますように
- 〜が、平和でありますように
- 〜の願いごとが叶えられますように
- 〜が、穏やかに暮らせますように
慈悲の言葉は、自分が良いと思うものを選んで、文言にアレンジを加えても構いません。
具体的には、自分に慈悲の瞑想をするとき、「私が幸せでありますように」と唱えればいいわけです。
慈悲の瞑想は、自分、他人に対して、慈愛の気持ちを向けることに集中することです。
必ずしも声に出さなくても、心の中で唱えるだけでも良いです。
慈悲の瞑想の対象は、自分とすべての人というようにしても構いません。
私は、自分や他人を批判したくなったり、人混みにいるときに、慈悲の瞑想をしています。
批判しようとしていた自分や他人に対して、優しい気持ちになれますよ。
まとめ:マインドフルネスは幸せになる生き方
マインドフルネスで大事なのは、過去や未来ではなく、今を生きることです。
今この瞬間を生きることで、ネガティブな思考や感情のループから抜け出し、今ある幸せを感じることができます。
私はささいな仕事のミスでも一週間くらい同じ不安や心配をずっと引きずっていました。
マインドフルネスを実践してから、不安や心配に囚われる時間は激減し、集中力は増えました。
私のようなちょっとした失敗や少し嫌なことを言われただけで、思い出しては落ち込んでしまうという方にはマインドフルネスはかなり効果があると思います。
マインドフルネスは人生の中で5本の指に入るとライフハックと言っても過言ではありません。
みなさんも日常的に瞑想をして、今この瞬間を生きる時間を増やしてみてくださいね。
最高の集中と休息を手に入れることができますよ。
マインドフルネスになるためのおすすめ本
・サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
Google社内でもマインドフルネスは大人気の研修プログラムとなっています。
その研修プログラムを開発した著者がマインドフルネスを科学的に説明してくれています。
この本を読むことでマインドフルネスを科学的に知り、日常的な実践法を知ることができますよ。
・世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
ロサンゼルスでクリニックを開業している医師がマインドフルネスの休息法を教えてくれています。
最初にシチュエーションごとに簡単にできる瞑想法を紹介してくれていますので、すぐに実践することができますよ。
ストーリー形式で分かりやすく説明してくれていますので、マインドフルネス入門書としておすすめです。
・幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
心理療法ACTについて教えてくれる本です。
ACTは、ストレス、幸福感、抑うつに大きな改善が確認されています。
ACTとは、内面の経験を受け入れ、現在に生き、自分の価値に沿って行動することにより意味のある人生を創造する、科学的な手法です。
ACTを学べば、ネガティブな感情、思考のループから抜け出して、自分の価値観に沿った行動ができるようになりますよ。
参考文献
・サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
・世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる