このブログでは「マインドフルネスは脳構造を変える」、「マインドフルネスは最強の休息になる」といったマインドフルネスによる効果をたびたび紹介しています。マインドフルネスとは「今を生きること」を意味する言葉で、呼吸や目の前のことにただ集中することでリラックス効果やパフォーマンスの向上が見込めるんですね。
現代社会では仕事によるストレスが深刻な問題となっています。多忙なスケジュールや人間関係の問題、プライベートや業務上の責任などストレスの原因は多岐にわたるのは周知の事実。マインドフルネスを取り入れることで仕事のストレスを軽減することが注目されています。
この記事では、「マインドフルネスは職場のストレスも軽減するのか？」を調べたスタッフォードシャー大学の研究を紹介します。
この研究は、マインドフルネスと職場のストレスについて過去の９つの科学論文を分析した系統的レビューとなっています。対象者は主に職場のストレスレベルが高い医療従事者で、呼吸法、座禅、傾聴、思いやりなどの様々なマインドフルネス技法をしてもらっています。介入期間は1日から10週間になります。
その結果、
- マインドフルネスは医療従事者のストレスを大幅に軽減させた。医療従事者のストレスに対するマインドフルネスの有意なポジティブ効果を報告した研究は8件、報告しなかった研究は1件だった。
- セルフコンパッション（自己への思いやり）が増加した。また、共感、平穏、燃え尽き、自己の感覚、うつ病、不安においても有意な改善がみられた。さらに3日間という短期間のマインドフルネス介入が、感情的疲労、脱人格化を減らし、個人的達成感の増加につながった。
- 一般的な健康状態や首尾一貫感覚、心理的苦痛、反芻やネガティブな感情、生活への満足度においても改善が報告された。
とのこと。マインドフルネスはストレスの悪影響に幅広い効果があるみたいですね。仕事上のストレスが高い職業の人を対象としている研究なので実生活にも役立つ可能性が高いのが良いですね。
研究者曰く、
この研究は、マインドフルネスが医療従事者のストレスを軽減する効果的な手段である可能性を示している。医療従事者のストレスレベルは高く、この領域の改善は患者の満足度とケアの質を高め、医療サービスのコストを削減できるため、これは重要な発見である。さらに、我々のレビューでは、マインドフルネスストレス軽減法だけでなく、すべての形態のマインドフルネス介入が医療従事者のストレス軽減に有益であることが示された。しかし、発見された有意な改善が、マインドフルネスに関する有意でない知見が公表されなかった結果ではないことを確認するために、この分野での追加研究が必要である。
だそうです。確かに医療従事者へのストレスを減らせば、患者への診療も質の高いものになりますね。コスト削減の観点から考えれば、貴重な研究と言えます。
私は休み時間に目を閉じて呼吸瞑想でマインドフルネスを実践しています。これだけでもストレスや疲労が減ったと感じていますよ。
ストレスに関するおすすめ本
・スタンフォードのストレスを力に変える教科書
こちらの本はストレスの捉え方を変えて、自分のパフォーマンス向上に役立てる方法を教えてくれます。
ストレスを絶対悪として考えるのではなく、役に立つものと考えることでストレスへの向き合い方を変えることができます。
ストレスを理解したいという方におすすめの本です。
・超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド
科学的なストレス解消法を100個も知ることができます。
ストレス解消法も呼吸法、運動、自然といった王道なものから、ネガティブな思考を掘り下げて書き出したり、サプリを飲んだり、発酵食品を取り入れたりとレパートリーが豊富です。
「ストレスをすぐにでも減らしたい！」と考えている方はこの本を読むと良いでしょう。