「現在の治療法の60~90%はプラセボ効果によるもの」と過去の研究から示されています。プラセボとは、信じ込むだけで効果が表れる現象のことです。プラセボによって、偏頭痛が軽減されたという研究もあります。
それでは効果があるのに知らなかった場合はどうなるのでしょうか?例えば、毎日コーヒーを飲む人がカフェインは集中力を上げることを知らなかった場合、その効果を知ったらさらに集中力を上げるのか、ということが謎ですよね。本来の効果に加えて、プラセボ効果がブーストされるのかが分からないわけです。
ハーバード大学の研究によると、「マインドセットを変えるだけで健康になれるぞ!」という結果になっていて、興味深かったので紹介します。対象者は84人の女性のホテル清掃員で、次の2つのグループに無作為に分けています。
- 彼女らの普段の仕事の運動量を教えられるグループ
- 何も教えられないグループ
従業員には仕事の運動量を口頭で教えた上で資料を渡し、掲示板にも紙を貼りだしました。運動量に関するアンケートに答えてもらい、体重や血圧などの身体的な数値を計測した上で4週間後に変化があるかどうかを調べています。
ちなみに研究者が提供した情報は、ホテル清掃はアメリカ疾病予防管理センターが推奨する運動量を満たし、「15 分間のリネンの交換で 40 カロリー、15 分間の掃除機で 50 カロリー、15 分間のバスルーム掃除で 60 カロリーが消費されます」というように具体的な数値を挙げて説明しています。
仕事のおける運動量を教えることで健康に良い影響があるのかどうかを調査してくれているんですね。ただ情報を与えるだけで、実際に運動量を増やすように指示したわけではないのが面白いですよね。
その結果は、
- 運動量の情報を与えられた人は知覚される運動量が増えたが、実際の運動量は増えたわけではなかった
- 何も情報が与えられない人と比べて、体重、血圧、体脂肪、BMIが改善した
となりました。実際の運動量が増えたわけではないのに、仕事で十分な運動をしていると感じただけでより健康になったんですね。
研究者によると、
被験者への変化がわずか 4 週間で発生したことを考えると、小さいながらも意味のある変化でした。これらの結果は、実際の運動とは無関係に知覚される運動を増加させると、その後の生理学的改善がもたらされるという仮説を支持するものです。
とのこと。体重や血圧までも減ったというのがすごいですね。プラセボ効果は侮れませんねぇ。
運動や筋トレを日常的にする人はメリットを知ることで、さらに効果が上がる可能性がありますね。私はこれからも健康に関する知識を増やして実践していこうと思いました。
マインドセットに関するおすすめ本
・マインドセット「やればできる! 」の研究
こちらの本はなぜ成長マインドセットが重要なのかを豊富な研究や実例で説明してくれます。
いくら努力しても意味がないという固定マインドセットの考え方を持っているとモチベーションは上がりませんよね。
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