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休息は最高のトレーニング?身体スキルを向上させるための休息の科学

2023年5月12日

勉強した内容を記憶するには、休息が必要なことは有名です。脳は学んだ内容を休息中に定着させるからです。勉強には勉強の合間の休憩、睡眠が大事なんですね。

では、ピアノなどの体を使ったスキルも休息をしたほうが身に付きやすくなるのでしょうか?今回は、「身体的なスキルを高めるために休息はなぜ必要なのか?」を調べたアメリカの国立衛生研究所の実験を紹介します。

対象者は33名で聞き手ではない左手で「41324」という文字列のタイピングを速く正確に制限時間内にするように指示。脳をスキャンして、練習中と休憩中にどのような反応が出るのかを調べてくれています。練習と休憩の時間は以下のとおりです。

  1. 練習10秒
  2. 休憩10秒
  3. 1と2を交互に行い、総計36回のセットをこなす

その結果は、

  • 練習の合間に休息することで、脳内で練習内容のリプレイが起こっていた
  • 学習再生は、数秒ほどの短い休息時間でも発生する
  • 学習再生は、練習で「41324」とタイピングしたことが練習時間の20倍の速度で繰り返し再生されていた
  • 学習再生活動は、海馬と新皮質で行われていた。
  • 学習再生が多くなるほど、スキルの上達が速くなった

とのこと。休息中は学んだことを脳が再生して体に定着させているんですね。スキルを20倍のスピードでリプレイしているので、むしろ、練習後の休憩中の過ごし方のほうが大事になってくるかもしれません。

研究者曰く、

早期学習(パフォーマンスが指数関数的に向上する期間)は、練習期間中ではなく、その間に発生する短い休息中によって大部分が説明されます。このように、覚醒的なスキルの定着は、これまで考えられていたよりもはるかに短い時間スケール(つまり、数秒や数分)で発達します。重要なのは、この形態の覚醒的記憶定着は、睡眠を必要とする古典的に研究されている一晩定着の約4倍の大きさであり、練習経験が半分になっても記憶として保存される。

だそう。

練習中の努力を無駄にしないためにも休息を定期的に取りましょう。実感としても、練習中よりも休息を入れた後のほうが上達している感じがします。練習後の休憩にはスマホなどをいじらずに、脳には練習のリプレイに集中させたほうがいいかもしれないですね。

私は休憩中に、呼吸瞑想してからぼーっとするのを習慣にしています。休憩後はタスクに集中して取り組むことができますし、瞑想の練習やリラックスできますよ。目を閉じると記憶に定着しやすくなるという研究もあるので、目を閉じながら呼吸瞑想をするといいですよ。

休息をするためのおすすめ本
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
ロサンゼルスでクリニックを開業している医師がマインドフルネスの休息法を教えてくれています。
最初にシチュエーションごとに簡単にできる瞑想法を紹介してくれていますので、すぐに実践することができますよ。
ストーリー形式で分かりやすく説明してくれていますので、マインドフルネス入門書としておすすめです。

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