休憩は疲れを取るというイメージがあります。しかし、休憩法の中には疲労を取りながら活力を上げてくれるものがあるんですね。
疲労を取りながら、やる気も上げてくれる休憩法とは何なのでしょうか。
今回は「頭を使った後の休憩の効果を高める方法は何か?」を調べたウィーン医科大学らの研究を紹介します。
研究は大学生66名が対象で4時間の講義での休憩を以下の4つのグループに分けて、休憩前、休憩後、休憩から20分後に疲労度と活力を評価してもらっています。講義は午前と午後に4時間ずつ行われています。
- 休憩なし
- 有酸素運動とストレッチ
- ボディスキャンエクササイズ
- 机に座ったまま自由に過ごしてもらう
ボディスキャンエクササイズとは、自分の足、脚、腕、呼吸などの身体の各部位や動きに注意を向け、それらの部位に生じる感覚を観察することですね。休憩なし、運動、リラックス、自由に過ごすを比較して、どの休憩法がいいかを調べているんですね。
その結果は、
- 休憩なしグループは休憩ありグループと比較して、疲労は増加しており活力は減少していた(当たり前ですね)。
- 自由に過ごすグループと比べて、運動グループはより活力を上がり、リラックスグループはより疲労が減少した。
- また、自由に過ごすグループは集中力を増加させなかったが、運動グループ、リラックスグループは集中力を上げた。
となっています。運動やリラックスをすると集中力を増加させる効果があるんですね。
研究者によると、
6-7分の短時間のリラクゼーション法や身体活動を行うことで、疲労の減少が促進され、それに伴って活力が増加し、結果的に仕事への取り組みや生産性が向上する可能性がある。さらに、その効果は休憩後少なくとも20分以上持続すると考えられる。このように、精神的に負荷のかかる作業中の疲労を効果的に軽減することが可能となる。これらの知見は、特に学術的な分野において有効であり、短いリラクゼーションや運動による休憩は、疲労を軽減するだけでなく、講義への参加や学習効果を高める可能性がある。
とのこと。休憩時間はスマホをチェックするのではなく、運動やリラックスをすることで疲れを癒し、活力も湧いてくるということです。
休憩の過ごし方は疲労を取りたいときはリラックス、モチベーションを上げたいなら運動というように使い分けるといいですね。
休憩のおすすめ本
・世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
ロサンゼルスでクリニックを開業している医師がマインドフルネスの休息法を教えてくれています。
最初にシチュエーションごとに簡単にできる瞑想法を紹介してくれていますので、すぐに実践することができますよ。
ストーリー形式で分かりやすく説明してくれていますので、マインドフルネス入門書としておすすめです。
・脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
こちらの本は、著者が運動の科学的な効果を熱意を持って教えてくれます。
豊富な事例で様々なメリットを説明してくれるので、運動のモチベーションが上がります。
運動は健康に欠かせないので、すべての人に読んでほしい本です。