以前に「座位時間を減らすだけでガン、心血管、糖尿病による死亡リスクを減少できる」という記事を紹介しました。
座位時間を減らすと様々な病気リスクを減らせるんですよね。
これまでの研究から1日のエネルギー消費量を増やすと病気リスクが減らせる可能性があります。
いくつかの研究では座っているよりも立っていることで消費カロリーが多く消費されるという結果が出る一方、座りと立ちの消費カロリーはほぼ一緒という結果も出ているんですね。
このどっちつかずの消費カロリー問題を解決するべく、「座る時間と立つ時間の消費カロリー差は本当にあるのか?」を徹底的に調べた研究(R)を紹介します。
今回はメイヨークリニックのメタ分析となっており、過去の立位と座位のエネルギー消費量を比較した観察研究と実験研究を統合したものとなっています。
メタ分析の対象として、46件の研究、1184名の参加者が含まれています。
参加者の平均年齢は33±11歳、年齢は19-74歳、60%が男性、平均体重は65±15kgです。
参加者は幅広い年代で標準的ですね。
研究、人数も多く、エビデンスの質も悪くないものとなっています。
その結果は、
- 座位と立位のエネルギー消費量の平均差は0.15kcal/min(95%信頼区間(CI)0.12-0.17)であった。
- 女性間での差は0.1kcal/min(95%CI 0.0-0.21)、男性間では0.19kcal/min(95%CI 0.05-0.33)だった。
- 観察研究では、無作為化試験(0.2kcal/min、95%CI 0.12-0.28)に比べ、エネルギー消費量の差は小さかった(0.11kcal/min、95%CI 0.08-0.14)。
となりました。
座っているよりも立っているほうが消費カロリーが多いんですね。
感覚的にも立っているよりも座り込んでいるほうが疲れないですね。
電車では席の争奪戦になりますし(笑)。
座位と立位のエネルギー消費量の平均差は1分間で0.15kcalと小さく見えますが、座り時間は長時間になる人が多いので、立つだけでこれだけのエネルギーを追加で消費できるのは大きいですね。
研究チームによると、
1日6時間、座ることを立つことに置き換えると、体重65kgの人は1日に54kcalを追加で消費することになる。このエネルギー消費差は、1年間で約2.5kgの体脂肪を減らすエネルギー量に匹敵する。(中略)座位を立位に置き換えることは、座りがちな生活スタイルに対して、長期的に体重増加を防ぐための潜在的な解決策になり得る。
エビデンスの質が高い無作為試験では0.2kcal/minなので、1年間で約3.7kgの体脂肪を減らすことができる可能性があります。
立ち時間を増やすことを習慣化すれば、かなりのダイエットになりますね。
日常に少しでも運動の要素を加えるだけでも消費カロリーは増大するので、運動不足だという方はスタンディングデスクにするだけでもかなりの効果が得られますよ。
座ることから立ったり、歩いたりする活動に置き換えてみてくださいね。
健康的に痩せることができますよ。
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