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都市の街路樹は近所に住む人のメンタルを改善させる

2021年11月13日

自然がメンタルに効くことは、以前の記事「毎日が充実して、生活のクオリティが一段上がる「自然の力」」で紹介しています。
自然の中で過ごすだけでストレス減少、免疫力向上などの様々な効果があることが分かっています。
もはや、自然にはスーパーパワーがあると言えますね笑。

街路樹は主に生物多様性、地球温暖化、季節感、ヒートアイランド現象の緩和などの目的で植えられています。
自然には様々なメリットがありますが、街路樹による精神的な健康効果を調べた研究はあまりないんですね。

今回は「都市の街路樹でもメンタルヘルスに良いのか?」を調べた研究(R)を紹介します。

ドイツのライプツィヒの住民9751名を対象に、街路樹の密度および種の豊富さと抗うつ薬の処方との関連を分析したものとなっています。

街路樹の量と多様性を調べているんですね。
木々の量と多様性のどちらがメンタルヘルスに効くのかは気になりますねー。

その結果、

  • 街路樹の密度が高い100m以内に住んでいる人ほど抗うつ薬の処方率が低かった。ただし、交絡因子を考慮するとこの関係はわずかに有意であった
  • しかし、経済的地位が低い人は、自宅周辺100mの街路樹の密度が高いと抗うつ薬が処方される確率が有意に低下した
  • 住居から100mより離れた場所にある街路樹の密度、種の豊富さは、抗うつ薬の処方とは関連していなかった

となりました。
経済的に裕福ではない人の方が街路樹の恩恵をより多く受けられるみたいですね。
家の近くに緑があるところに住むとメンタルが改善されていいんじゃないでしょうか。

研究者によると、

本研究では、家の近くの街路樹を通じて、日常的に自然と触れ合うことが、特に貧困層の個人のうつ病のリスクを低減する可能性を示唆しています。このことは、都市計画や都市における自然を利用した健康増進のための介入に重要な意味を持ちます。

世界の都市人口は1950年には30%でしたが、2018年には55%に上昇しており、2050年には68%に達すると予測されています。
今後も世界は都市化していきますので、都会でも近所に緑地や街路樹があるかどうかは確認するといいですね。

自然の近くに住むか、自宅に観葉植物でもいいので緑を取り入れてみてくださいね。
自然のスーパーパワーの恩恵を受けることができますよ。

自然の力を知るためのおすすめ本

NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
この本は自然がストレスを激減させ、脳機能を高めることを科学的に説明してくれています。
日々の生活で自然の力を活かせる森林浴、自然音を聴く、木々の匂いを嗅ぐなどの様々な手法を紹介しています。
自然を日常に取り入れることで、自然の効果を最大限得ることができますよ。

GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
人は野生の状態から農耕を始め、都市を築くようになりました。
急速な変化の結果、人の野生の体とは相容れないライフスタイルができあがり、その状態が病気を招いているという文明病という考え方があります。
この本を読めば、野生本来の姿を取り入れ、健康的で幸せな人生を送れるようになります。
健康的なライフスタイルの他にも昔の人類の生態を知ることができますので、楽しく読むことができますよ。

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