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交通騒音は認知症を引き起こす原因となるかも?という研究

2021年12月11日

大気汚染は認知症リスクを増加させることが分かっています(R)。
大気汚染は車の排気ガスなどによって引き起こされます。
住んでいるところが幹線道路沿いなどの方は大気汚染の影響を受けやすいので、注意しましょう。
HEPAフィルターの空気清浄機などを使うと良いですよ。

このように人は住む環境から影響を受けます。
自然のような良い効果もあれば、大気汚染のように悪い影響もあります。

今回は、「交通騒音は認知症を引き起こすかも?」という研究(R)を紹介します。

この研究はデンマークに住んでいる60歳以上の成人1,938,994人を対象にしており、交通騒音と認知症の関係を調べてくれています。
交通騒音は道路、鉄道の2種類で、居住地での騒音レベル(dB)を測定しています。
認知症の罹患は病院、処方箋の登録から特定したものとなっています。

住む家を決めるときに、閑静な住宅地にするか、駅近くの幹線道路沿いにするかなど住む場所は迷いますよね。
これから住む場所を決める人の参考になるんじゃないでしょうか。

結果は、

  • 道路交通、鉄道騒音の平均暴露量は、認知症のリスクの上昇と関連していた
  • 道路交通騒音が65dB以上の場合、45dB未満と比較して、認知症リスクが16〜18%上がった
  • 鉄道騒音が50dB以上の場合、45dB未満と比較して、認知症リスクが16〜19%上がった
  • 騒音が大きいほど一般的には認知症リスクが高くなる。ただし、騒音レベルが高くなるとリスクが平準化するか、わずかに低下する
  • 道路交通、鉄道騒音は特にアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)のリスクの上昇と関連している

となりました。

騒音が大きいところだと認知症リスクが上がるみたいです。
10%の認知症リスク向上は大きいですね。
住む場所が幹線道路、鉄道が近くの方は気を付けたほうがいいですね。

研究チームによると、

今回の大規模な全国規模のコホート研究では、道路交通や鉄道からの交通騒音が、すべての認知症、特にアルツハイマー病のリスク増加と関連することが判明した。 (中略)騒音による健康への有害な影響に関する知識を広げることは、認知症を含む疾患の予防と制御に焦点を当てた優先順位の設定と効果的な公衆衛生政策の実施に不可欠である。

大気汚染と同じく、騒音も健康に良くないみたいですね。
今回の研究では、道路や鉄道の騒音を対象としていましたが、隣人の騒音はどうなんでしょうね。

私は外の音が気になってしまい集中が途切れてしまうので、今後も静かな住宅地を選ぼうと思いました。
ただ、理想的な物件は中々見つからないのが難点です…

窓を変えて騒音を軽減したり、空気清浄機で大気汚染の影響を減らしたりしてみてくださいね。

住む場所を決めるためのおすすめ本

年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学
こちらの本は住む場所によって、なぜ収入が決まるのかを解説しています。
住む場所によって、イノベーション発生率、住民の年収、教育レベルの水準が異なります。
こちらの本を読むことで、自分の起業場所、自分が住む場所を選ぶ1つの指針となりますよ。

NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
この本は自然がストレスを激減させ、脳機能を高めることなどの自然の恩恵を科学的に説明してくれています。
日々の生活での森林浴、自然音を聴く、木々の匂いを嗅ぐなどの様々な手法を紹介しています。
自然を日常に取り入れることで、自然の効果を最大限得ることができますよ。
自然を楽しみつつ効果を得るために住む場所も考えさせる本となっています。

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