まとまった休みの過ごし方と言えば、旅行に行くという方も多いでしょう。
旅行はリラックスしたり、新しい場所や人に出会ったりと楽しい経験や思い出になりますよね。これらの要素は幸福度を上げてくれる一方で、旅行自体の効果は小さくて長続きしないと過去の研究から判明しています。
旅行で幸福度をどうすれば高められるのでしょうか?
今回は、「旅行と幸福の関係性」を調べた研究を紹介します。
この研究は、
- 休暇を取る人は取らない人と比べて幸福度に差があるのか、
- 休暇旅行は旅行前後の幸福度を高めるのか
について検討しています。対象者は974人で旅行の前後で幸福度に関する質問に答えてもらっています。
その結果は、
- 休暇を過ごす人は、そうでない人に比べて、旅行前の幸福度が高い
- リラックスした状態で旅行した場合のみ、旅行後の幸福度が高くなる
- 旅行後の幸福感については、旅行者と非旅行者の間に差はない
ということが分かりました。旅行の幸福度向上は主に旅行前で、旅行後の効果はあまりストレスなく過ごせた場合だけみたいですね。
さらに詳しく研究を見てみると、
- 休暇旅行者は、休暇旅行に行かない者に比べ、旅行前の幸福感スコアが有意に高い
- 滞在期間と旅行後の幸福感は関連しない
- 旅行で非常にリラックスできたグループは帰国後8週目まで幸福度が高かった
とのこと。滞在期間と幸福感が一致しないのは意外でしたね。旅行中にリラックスできると幸福度が高くなるみたいですね。
研究者曰く、
休暇は個人にとって楽しみなものである。しかし、旅行後の幸福感という点では、休暇の長さは重要ではありません。つまり、1年に1回の長期休暇よりも、2回以上の短期休暇を1年を通して過ごす方が、幸福度が高いということです。
(中略)
この研究は、休暇を過ごす人はそうでない人に比べて幸福度が高いが、休暇旅行が彼らの幸福度をあまり高めていないことを示すものである。概して、休暇を過ごす人とそうでない人の間には、旅行後の幸福感に差は見られなかった。しかし、「とてもリラックスした」休暇を過ごした人だけが、休暇後の幸福感を高めている。旅行前の幸福感が旅行者と非旅行者の間で異なるのは、旅行者が休暇を楽しみにしていることの表れかもしれません。
とのこと。まとめると、旅行前の期待、旅行中のリラックスが幸福度の鍵になるということですね。
旅行で幸福度を上げるには、
- 自分が楽しいと思えるスポット、活動を事前に綿密に計画しておく
- スケジュールは余裕を持たせて、ゆっくり過ごす
- 旅行の頻度を多くする
とすると、旅行前の期待を高めつつリラックスして過ごせるのではないかと思います。
私もこれらのポイントを意識して旅行に行こうと思います。研究結果は感覚的にも納得できますからね。コロナで海外に行けてないので、早く行きたいですね。